名台詞

「真の己を証明する者は、己以外にあるまい!」
発言者 龍法師
ARTIFACT;RED 木村太彦
村人から「悪魔の子」と恐れられ差別されるマギが、大けがをしてもその村を守るため戦おうとしているとき、それを止めようとした主人公の女の子に対して。
確かにその通りである。人と人と、同じく意志を持つ存在。コミニュケーションで本来分かり合えるはずの存在であるが、人間として必然の不完全性により言葉が届かないことも間々ある。
それでもなお人との関係を、人であり続けることを望むのならば。己が人であることを、己自信で証明しなければならないのだ。



「つらい?」
「・・・・つらいです。」
「やはり、死にたいの?」
「でもまだ、死ねません。」
「何故?」
「あなたと・・・生きてみたい。」


「人殺しになってもいい、あなたと一緒に・・・生きてみたいから」

発言者 弓真鏡歌 神荻周防
闇色の戦天使 著・神野オキナ(ファミ通文庫)

本当の愛とは、こういうことさ。

「破壊者」と呼ばれる精神生命体に寄生され超常の力を持つようになった人々を、軍・民間人・国家ぐるみで狩るようになった時代。
神荻周防は、姉が「破壊者」と発覚し殺されたその日から、周囲の世界全てに迫害される存在となっていた。
弓真鏡歌は、強力な力を持つ「破壊者」で、洗脳を受け同じ「破壊者」を狩っていたがあることを契機に洗脳を脱し、「破壊者」を守るようになる。たとえそれまで「破壊者」を狩ってきた自分が「破壊者」に敵として扱われていても。
孤独な二人は偶然出会い、必然に惹かれあった。そして鏡歌は思った。自分は不死に近い生命力を持っているから自死は出来ない、何より償うために死ぬなんて楽な道は選べない。だが普通の人間の周防が、これ以上苦しみながら世界の敵として生きるのは、あまりにも悲しすぎる。
その悲しみを終わらせたい。だから鏡歌は好きになった相手にあえて「殺してあげようか」と聞いた。
そして周防は、答えた。好きだから死ねない。地獄のような世界の中でも、一緒に生きていたいと。

本当の愛とは、恋とは。死ぬ苦しみと生きる苦しみ、すなわち人が体験しうる苦しみ全てを天秤の片方に乗せても、尚それ全てを跳ね返すほど強いもの。
ここに、それがある。


六六六殿よりご紹介いただいた台詞(そのままの引用なので書式が違いますが)

PSのゲーム WILD ARMS より
「勝利とは己のえがいた夢をまっとうすること」
ネタバレなんで深くは書けませんがとあるキャラが死の間際に残した言葉。 いい言葉だと思います。

ただ名言と同じくらい迷言があるのがこのゲーム。 特に2は開発者の趣味全開でして・・・・・・。
まあやって損しないので機会あらば是非。

自分勝手でありながら貴くて、醜悪なのに胸をうつ。この魔物はなんなんだ。

発言者 ジェンド(地の文での独白)
小説幻想大陸 邪神竜の秘密は勇者のあかし!? 著・大江イオン(原作・夜麻みゆき)

ジェンドは、ダークエルフ。魔物はびこる幻想大陸世界オッツ・キイムで、既に絶滅した種族。魔物に滅ぼされ、生き残りはジェンド一人。
故に魔物を激しく憎み、手当たり次第に殺してきた。
ジェンドがまた殺した、一匹の魔物。大蜥蜴のような姿のそいつが町手暴れていた理由が、子供を育てるのに大量の餌が必要だったからと、ジェンドは知った。
その魔物を殺し、魔物の子供を見たとき初めて。それまで魔物を敵としてしか見ていなかったジェンドが、初めて混乱して呟く。
この魔物は何なんだ、と。
それまでの勧善懲悪、ドラゴンクエストなどRPGの登場後は単なる魔物ぶっ殺しゲームになっていたファンタジーに真っ向から疑問符を投げつけた作品「幻想大陸」、それを最も端的に現すシーンだ。


「思い出は一生ものだが決められるのは今だけだっ!!」

「惨敗した思い出が・・・血の滲むような悔しい思い出が・・・・・・明日にふみだす一歩になるんじゃないのかっ」

「逃げるが勝ち・・・ってことわざもあるよな・・・な・・・」
「じゃあ逃げろっ」
「いっいやだああっ」


発言者 不屈闘志
逆境ナイン 著・島本和彦著
一つのシチュエーションで言われた台詞たちだが、状況としてはこういうことである。主人公達の野球チームが、甲子園地区予選の結晶まで勝ちあがったのはいいんだけど決勝の相手が物凄く強そうなのだ。
準決勝で相手を完封五十点差で勝利し、その負けたチームのあまりの無様さ悲惨さ悲しさが、明日はわが身ということでチームは戦意を喪失してしまう。
それでキャプテンの不屈闘志(しかし、凄い名前だ)が、皆を発奮させるため言った台詞の数々。大変ためになる、諸君も思わず逃げそうになったらこれを思い出すといいだろう。
特に最後の台詞。「逃げるが勝ちって諺もある」と試合放棄しようとするやつに向かって、「じゃあ逃げろっ」これ、活字では分からないかもしれないけれど物凄い迫力で言っているのだ。
確かに「逃げるんなら逃げてみやがれ〜〜〜〜っ!!」てな勢いで言われては反射的に、「いやだっ!」と思うだろう。

「実は・・・どうしようもないことがあって・・・どうにかしなくちゃならないんですが・・・」
「そうか・・・よくあることだ・・・そういうときは・・・お前がどうにかしろ!」
「俺が!?」
「そうだ!お前がどうにかするしかあるまい!!」
「俺がどうにか・・・します!!」
「しろ!!」


発言者 前杉英雄 炎尾燃
吼えろペン 著・島本和彦
これまた、困ったときに思い出すべき台詞。
「どうにかしなくちゃならないどうしようもないこと」
言葉としては破綻しているが、そんな状況は確かに存在する。それを「どうにかする」ための答えがこれだ。
「自分でやる!」しかないのだ、結局は。先にあげた「破綻」も、そんな結論から目をそらしているがゆえの気の迷いに過ぎない。
自分でやるしかないのだ。いや!前向きに、「やるべき」であり、「やることこそ」人生!!それくらいの気概でもってばしばし難関を突破せねば!

「男の熱い魂・・・・それは交わした腕と燃えたぎる眼光によって伝達される!!これは冗談ではない!」
「人間には元々一人に一つづつ魂がある!!こちらの魂を吹き込む必要はない・・・そう、やる気のパルスを共振させればよいのだ!!」
「やる気パルスの伝達には様々な方法がある。言葉で伝える方法、映画や映像で訴える方法、文章として伝達される場合もある!!危険なのは間違ってやる気のないパルスを伝達されてしまった場合である!!この下の部分を負け犬パルスとでも名付けよう!!
毎日毎日つまらないが人生ってこんなもんさという本に共振しているサラリーマンなどはこのパルスである。人間なんて裏切りと不信の関係しかないのさ番組に共振する中流家庭!!このパルスに染まってると最後は息子が勝手に家を飛び出すぞ。不倫を好みすぐに男や職を変えるパルスにそまりたがるOLも多いという。やめと、やめてくれっ、たのむ。」
「君よ、パルスを正せ!!」

発言者 作者島本和彦本人
逆境ナイン 著・島本和彦

「・・・物語でさ」
「こんな時にはこうあってほしい、とか・・・」
「こうだったら、みんなうまくいくのに、とか・・・」
「・・・思うでしょ?」
「あたしは、バッドエンドと、可哀相なだけの話がキライなんだ」
「そういうのには、ホントに頭に来る・・・」
「人の不幸を見て自分の幸福を確認するのも」
「不幸に、ただ泣いてるだけなヤツも」
「・・・・・・そんなのを見て、同情していい気持ちになったりしてるヤツも」
「あたしは・・・いつも、そんな物語に怒ってる」
「・・・片っ端から消化されて、1年やそこらで忘れられてく・・・使い捨ての快楽でもさ」
「あたしは・・・」
「あたしの描いたもので、あたしの読者ちゃんたちを笑わせたいし・・・」
「・・・おんなじように、物語りの出来事に、一喜一憂したい」
「・・・そんで、最後には笑っていたい・・・」
「・・・少しの間だけ、その人の1番で・・・」
「すぐに忘れられて・・・」
「・・・でも、それでいいんだ」
「・・・あたしは・・・」
「そういうもの描きでいたい」
発言者 仁村真雪
「とらいあんぐるハート2」 PCゲーム

雰囲気はぜんぜん違うが、意味的にはほぼ同じことをそれぞれ「見るもの」「創るもの」の立場から述べている、二つの名言。
(下の台詞はインターネットで見つけたもので、PCゲームはやったことがないが、本当いい言葉だと思ったので引用)
何しろ、我輩が創作上常に心がけていること、それそのものだから。物語はただ暗く悲しくそれで涙を誘うだけで駄目なのだ。それ以上!涙にしろ笑いにしろその果てにある「人に伝わり、その人を笑いであれ強き心であれどこかへと、作った自分自身をも導く何か」
そんなものを、書きたいと。


「英雄になるための無謀さは勇気とは言えない。しかしそれは人を思う気持ちが有れば勇気と呼ばれるものになるのさ。」

発言者 マラサイ
ダブルゼータくんここにあり 著・こいでたく

変に深い台詞が飛び出すSDガンダムギャグ漫画、「ダブルゼータくんここにあり」。
マラサイはこの話の中ではそう、「ムーミン」のスナフキンみたいな世捨て人なんだけど、ほぼ毎回ぼそっと何かいいことを言う。
その中でも特に小さいころの我輩が気に入っていた台詞だ。
勇気も英雄も、人を思ってこそ、なのだ。


「もし迷うのならこの鼓動を思い出して!命を・・・考えないで!感じて!自分がしてきたこと、自分が守ろうとしているものをはっきりとつかんで!やるだけやってみましょうよ!死にたくないのならやるしかないんだもの!やるだけやってそれでもだめなら・・・それでも・・・いいじゃない!」
「今ならはっきりわかります会長!俺は誰かにそういってほしかった!多くの人の運命をしょいきれない個人の脆さを、認めて・・・甘えさせて欲しかった!でも貴方がそう言ってくれたから、俺はもう・・・負けません!」

発言者 千導今夜会長 一峰勇二
轟世剣ダイ・ソード 著・長谷川裕一

とりあえず昨今のやたら迷いがち・・・というよりは迷ってばっかりなロボット乗りやヒーローに聞かせてやりたいやり取りである。
うだうだ迷っている暇があったら行動し、一つでも命を救うほうがいいじゃないか。

「胸を張れ。我らは誇り。誇りこそ我ら。どの法を守るも我が決め、誰の許しも乞わぬ。私の主は私のみ。文句があるなら戦おう。それが私の生き方だ。」

「人は「ただの人間」である事に異を唱え、そこから抜けようとあがく瞬間「ただ」であることをやめる。
私は芝村になった時「ただの人間」である事をやめた。泣き言も自分が小さい事を悲しむ事もやめた それよりも努力する事にした。努力は恥だ、だが悲しむよりはずっといい。己に自信が無いのなら腕を磨けばいい。「1+1」よりも簡単な数式だ。」

「皆は忘れたが、我らは知っている。世界は何人もの名のなきヒーロー達によって、いつも最後の一線を潜り抜けて来たと。
次は我らの番だ。我らは、ヒーローではないかも知れん。その代役も果たせぬかもしれぬ。だが、最悪でも時間稼ぎにはなろう。
本物が現れるその時まで、人を守って戦おう。別に人々のためではない。我らは、人に甘えるのは好かぬ。それだけだ。
誇りこそ我ら。我らこそ誇り。借りは必ず返す。我らは決めたのだ。あの男の手を取ったその時に。泣くのはやめた。戦おうと。」

発言者 芝村舞
ガンパレード・マーチ(PSゲーム) 製作・アルファシステム(SCEI)


気高いというのは、こういうことさ。
芝村舞の生き方は、常に無駄なほど堂々と真正面を歩いている。何度も衝突を繰り返し、傷つき倒れる可能性の大きい生き方である。
だがそれが傲慢ではないのは、自分という存在を克己し、常によりよくあろうと、運命を乗り越えようとするからだ。これは「HELLSING」のアーカードの台詞「あきらめが人を殺す。諦めることを拒絶したとき人は人道を踏破する権利人となるのだ」にあい通じるところがある。
そして、諦めないのと同時に一種の覚悟をも、持っている。それが「自分」と「ヒーロー」を比べる台詞に現れている。
ヒーローというのは単純な正義の味方ではなく、もっと普遍的なもの。この作品内では「人類の決戦存在」と呼ばれても居るが、それとも少し違う。
むしろ同じ世界観で構築されたシューティングゲーム「式神の城」などともつき合わせて考えると、ヒーローとは次の一言に集約される。
「希望」。
そう、絶望の夜を明けさせる明日の旭日。希望はパンドラの箱の底の底、本当の最後に現れるという。故にヒーローでなくても、代役にもなれなくても、最後の希望を掴み取るために、倒れるかもしれなくても戦い続ける、その姿をこそ。気高いという。
同じ作品に出てくる善行忠孝の「全軍突撃! どこかの誰かの未来のために!」も、ノリとしては近いか。


「なにが”星の下に生まれついた”だ! つらいことなんか誰にだってある! 自分だけが不幸だなんて――自惚れんじゃない!」
「”自分なりに真剣にやっていた”なんて恥ずかしげもなくよく言えたもんだな! そんなことは当たり前だ! 何をやってもうまく行かないなんて、なんでもかんでもうまく行く方がおかしいんだ! ほとんどのことは失敗の繰り返しで、それでもみんな、それを承知でやらなきゃならないことをやっているんだ!」
「心についた傷は消えないとか言うくらいなら、そんな”心”なんかいらない! 一回ぐらいなくしただけで取り返しがつかなくなるものが人間の中心にあるなんて、そういう考え方をオレは絶対に認めない! ……なァにが”傷物の赤”だ! そんなものはオレの怒りで焼き尽くしてやる! そうとも、おまえがそうなら、それならば――オレは」
「”炎の魔女”だ!」
「――このままで、おまえを放り出したりはしないからな! 絶望だか苦悩だかなんだか知らないが、そんなものに逃げ込ませてやるものか!」


「運命なんて言葉を、簡単に口にするな」
「君は嫌いかい?」
「大っ嫌いだね。この世にそんなものがあるものか。そういうことを言いたがる奴は、ただ怠けているだけだ」

発言者 霧間凪
ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド 著・上遠野浩平

怪奇的かつ幻想趣味で、現代的に薄くひ弱な登場人物の多い「ブギーポップ」シリーズ。それが味であるのは事実なのだが、狂言回したるブギーポップもやはり、皮肉を主な戯言とする半自動人形。

そんな中で、大変我輩好みの人間。それがこの台詞を言った者、”炎の魔女”霧間凪。奇矯で、それゆえに真っ直ぐで、強情で、故に優しくて、強いが故に弱く、弱いが故に強い。
本来若者とはこういう存在であるべきなのだ。対決せずして新しき存在・新しき価値観であるをどう示すのか?今の若人よ。そんな軟弱さに、聞くと己自身の軟弱さの部分が火傷に似た痛みを感じる言葉を吐く者、まさに霧間凪は炎の魔女だ。

「真正面から憎めば、それは正しい力となる」

発言者 樹真
スケバン刑事 著・和田慎二

「正しい憎しみの力」。それは一見ひっかかるものいいかもしれない。だがこの台詞の意味は恐らくこういうことだろう。
あれやこれやと策をめぐらせたり相手のことを想像してかえって複雑にしてしまうより、真正面から一度がちんとぶつかってみたほうがいい。ぶつかってみればまだ分かることがある・・・と。

「つまらん奴だぜ。貴様を殴っても何も感じねえ!この拳に返ってくるものが何もねぇ!」
「貴様を倒す!それが俺の使命だ!お前に倒されたあいつのため!いや・・・お前には解るまい!あいつとの闘いで・・・あいつとの闘いで俺に生まれたものが何なのか!闘う男の、誇りって奴だよぉっ!!」

発言者 メフィラス星人
ウルトラマン超闘士激伝(OVA版) 円谷プロ

「ウルトラマン超闘士激伝」というのはまぁ、早い話がウルトラマンを題材にした格闘漫画で、コミックボンボンに連載されていた。この台詞は、そのOVAからの引用だが・・・
引用元などどうでもいい。状況も、説明せずとも分かるだろう。拳を交えることで共感を得た相手を倒し、今また破壊を続ける敵相手に立ち向かうときの台詞なのだが・・・

漢である!

「死ぬわけにはいかない・・・それが私だからだ。お前の旅も、ここで終わる!!」

発言者 ウルトラマン
ウルトラマン超闘士激伝(OVA版) 円谷プロ

これも同じ作品からの引用。だがこちらは、むしろ本家ウルトラマンの精神の説明に近い台詞である。
ウルトラマンは無敵というわけではない。何度も倒れ、そして蘇っている。それは何故か。
ここでウルトラマンが戦おうとしている相手「彗星戦神ツイフォン」(初期ウルトラファンなら色々ぴんとくるネーミング)の行動を見れば、それが分かる。
ツイフォンは彗星の姿を借り、進路にある惑星を次から次と破壊しながら進んでいく。何故そんなことをするのか、それは本人にも分からない。
本人にも理由が分からないまま、破壊をもたらしてしまう存在。破壊する以外に他者との接し方がない存在。
その苦しみの連鎖を断つために、ウルトラマンは立ち上がるのではないだろうか。
この台詞を聞いて、そう思う。

「牢獄の庭を歩く自由より、嵐の海だがどこまでも泳げる自由を、私なら選ぶ!!」

発言者 海江田四郎
沈黙の艦隊 著・かわぐちかいじ

尊厳という言葉の意味として辞書に乗っけてもいいような気がする台詞である。
牢獄の庭を歩く自由が何であるか、嵐の海を泳ぐ自由が何であるかは、作品を呼んでいれば一目瞭然だろうが、別にそれ以外の状況で引用しても当てはまることは多いだろう。


「アメリカは会談で決着をつける国ではないよ!」

発言者 海江田四郎
沈黙の艦隊 著・かわぐちかいじ

コメント不要。紛れも無い事実です。


「先程と同じく米政府の意見は変わらない。日本政府に譲歩を求める!」
「何気取ってんだそこのメガネ。そんな要求がのめるか!」


「お前達のやろうとしていることは虐殺だ!正当な理由も信じる理念も人間らしさのかけらもない!単なる殺しだ!そんな行為を人間が支持すると思うか。人間の支持が得られないと言うことは、自らの国家の国民の支持すらも得られぬということだ。滅びるのはお前等だ。正義とは何かを考えぬお前等だ!そんなに力を誇示したければ殺すがいい。だがその虐殺で流れた血は、アメリカが滅亡しても歴史からは永久に消すことは出来ないんだ、アメリカにその度胸があるか!」
「あの巨大な国を莫大なエネルギーで造りあげた国民の大統領とは、こんなせこい人間か。そんなに自らの力を試す敵がほしいか。こんなちっぽけな東洋の島国を説得するのに演説ではなく拳銃を片手に脅すような政治家か!お前等は一体朝鮮戦争や、ベトナムで何を学んだのだ。わからんのかミサイルを撃たれた瞬間、死んだ乗員や残された私達の中に何が芽生えたか!尊敬でも敬愛でもない、まして恐怖でもないぞ!!激しい怒りと憎しみと闘争心だけだ!殺すなら殺すがいい。そのかわり日本人全部を殺すことだ。たとえ一人残っても、その一人がアメリカを滅ぼすぞ!それが歴史の審判だ!!」

「生は虜にさる!!助かろうと足掻けば必ず捕虜になる。勝つには死戦を覚悟することだ。あの敗戦の時、日本は本土での決戦をやらなかった。敗戦国として踏みにじられることもなかった。おかげで我々は生きているわけだ。だが・・・あの日から日本は死を恐れ、生き延びるために正義を問うことを捨てた国になってしまった。今度は死滅を恐れずにやりたい!!」


発言者 海原渉
沈黙の艦隊 著・かわぐちかいじ

ああ、現実の日本にもここまでの「漢」な政治家が居れば!!
と痛憤したくなるくらいかっこいい台詞である。もう、コメント不要!


「たとえ専守防衛でもぎりぎりまで撃ってはいかん!!」
「先制攻撃をやらないで、勝てるとお思いですか。殺られるだけです。」
「そこを勝つのが日本の自衛隊ではないか!」

発言者 沼田一佐 自衛隊士官
沈黙の艦隊 著・かわぐちかいじ

こちらもまた、実にいい台詞である。
こんな自衛官が居れば、たとえ憲法に不備があろうと負けはしないだろう。
でも逆に言うと、こんないい人たちを下らない憲法論議なんかで足引っ張っちゃいけません!ということにもなるが。

「世界を救おうなどというとてつもない話・・・そんな物に挑もうとする奴は確かに「馬鹿者」じゃ。ある意味歴史に残る「勇者」とは途方もない「大馬鹿者」じゃろう。少し利口なモノならその試みがいかに無謀なモノなの気付よるからの。このような大仕事誰も出来ると思ってやる物ではない・・・ようは気合いじゃ。お前のせがれは頑張っておるではないか。そのがんばりを支えてきたのは父親であるお前の存在じゃよ。幻の魚と闘って海に消えた強く勇ましい男・・・・・・それがお前だ!その理想を壊すな!夢を諦めさせるなっ!お前が男である前に父親ならばっ!!」

発言者 王様(キャンディ=コンキスタドール)
勇者カタストロフ! 著・牧野博幸

王様の本名がキャンディ=コンキスタドールだというのは最終話でようやく明らかになるので劇中ずっとただ「王様」と呼ばれているのだが、どっちで書くか迷ったけど結局併記とした。
そんなことはどうでもいいが。
勇者というものに対する定義としては、極めて面白い発言である。

「なぁ・・・リプリィ。人間ってのは弱ぇよ。ずっと森の中で暮らしてたお前にもこれまでの旅で人間の嫌なところばっか見せちまったようだしなぁ。でもな・・・そいつぁみんな自分たちを守るため「本音」で生きてたからだ。そんなゆがんだのが「本性」なら人間なんざやってらんねーや。みんな「本気」をだしゃあ俺みたいな町の腰抜けが出しゃばる必要もねぇって・・・信じてるんだ。」

発言者 魚屋勇者ズック
勇者カタストロフ! 著・牧野博幸
状況としては最後の戦いが終わった直後、森の中で暮らしていて始めて旅に出て人間世界を見たハーフエルフのリプリィに、主人公のズックが語りかけている。
それはさておき、この言葉は、ある重要なことを我々に教えてくれる。
「本音」「本性」「本気」この三つの言葉で、人間の精神としての存在がどのようなものかを。
本音とは本能に通じる、人間の利己的な、動物的な部分。人を信じないものは、この部分こそが人間の本性だというが、それは違う、ズックはそういった。
本気、すなわち頑張って、頑張って、生物としての自分大事の限界を超えた境地、やせ我慢の薄皮ぎりぎりの、儚いように見えて強い部分。そここそが人の真髄であると。
人間を信じる。それが出来なきゃ、なるほど確かに人間などやってられないな。

「すまん、まほろ。だが今だけは、お前のため以外に戦わせてくれ!!」
発言者 アバレブラック
爆竜戦隊アバレンジャー

「俺、本当のこと話しますよ。夢をなくしても、また新しい夢を持てる、そんな子供になって欲しいから」
発言者 アバレッド
爆竜戦隊アバレンジャー

それぞれ「爆竜戦隊アバレンジャー」のおなじ話から。第何話かは失念したが、ある意味極め付きに凶悪なエピソードだった。
敵幹部「破壊の使徒ジャンヌ」が鎧を作るため、哀しみの想念のエネルギーが必要となった。そこで何と子供達に人気のTVヒーロー「ギャラクシアン・イグレッグ」そっくりのギガノイド「英雄」(戦隊ものには珍しく、最初から巨大な姿で登場する怪物で、音楽から名前をとられている)を出現させ、一旦子供達の心を掴んだ後暴れさせるという作戦に出た。
それでそれまで仲間の復讐に拘っていたブラックが言ったのが上の台詞、ギガノイド「英雄」を倒した後、子供達に何といおうかと思案する皆にレッドが言ったのが下の台詞。
しっかし、凄い話だよな、これ・・・

村正宗殿よりご紹介いただいた台詞(そのままの引用なので書式が違いますが)

ではコミック版ゲッターロボ(Gか號か覚えてないけど)から

「誰かが言ってたぜ、運命に従うのが運命なら、運命に逆らうのも運命だってな」

流竜馬が言っていたセリフ。
運命に抗う強い意志を感じました。

(余談、これの載っていた巻でゲッターロボの最終形態を見た)


「いいや、ボクは雫を、彼女を助けるんじゃない!」
「ボクはこれから、必ず彼女の知らない誰かを見つけて、必ず幸せになるっ、そのために街を守る、僕は、僕の未来を守るっ!」

発言者 雨月蛍太郎

「アメさんやイモさんみたいに、俺も誰を守るのか考えていたのさ。」
「俺は、俺を馬鹿にしてきた連中を守るよ。」
「馬鹿にしている奴に守られるほど、嫌なことはないだろう。自分より明らかにしただと思っている人間が命の恩人になっちまうんだ。きっとそれを知ったら嫌な気分になるだろう。俺はそう言う嫌がらせをするのが大好きなんだ」


発言者 妹尾環

「お前も、直樹も、生まれてくる子も、この街も、まとめて俺が守ってやるよ、俺の人生はけっして自慢できる人生じゃないが、直樹やこの子に父親がどんな人間で、何をしてきた人間なのか、自信を持って答えられるような人間にならなきゃな。」

発言者 胡子竜二

歩兵型先頭車両ダブルオー 著・坂本康宏

理由・・・それは闘いに必要不可欠なもの。これがないばあい戦いとは呼べず、ただの不毛な破壊にほかならない。
「歩兵型先頭車両ダブルオー」の粗筋はこのサイトの小説感想を見ていただけばいいとして、とにかくそれぞれの事情のために手取り二十万円の給料で巨大ロボットで怪物と闘う羽目になった三人の一般人それぞれの「闘う理由」である。
恋人に振られたてで、しかも怪物との戦闘中にその恋人が新しい男と一緒にいるのを怪物からかばう羽目になった雨月、天才的ゲーマーにして超弩級運動音痴、ヒネてクールなはぐれ者の妹尾、三人の中で唯一妻も子もいる胡子。
それぞれに違う戦いの理由・・・だがそれぞれに面白い!


「人は正義を語ったそのときから正義じゃなくなるのさ。あんたたちを裏がえしゃ、あたしたちさ!」
発言者 シーマ=ガラハウ
機動戦士ガンダム0083・宇宙の蜻蛉

シーマ=ガラハウ。アナベル=ガトーやエギーユ=デラーズのような義侠の軍団の中にあって一人ひねくれた悪女といった印象の女。
だがその実、毒ガス作戦をそれと知らず実行させられ常に最前線で捨て駒扱いされてきた彼女は、ガトー達とは違う戦争と軍人の代弁者とも言えるかも知れない。
その最も辛辣なセリフは、これだろう。正義なんてもののうさんくささを嫌と言うほど知ったから言える、このセリフ。

仮面ライダー龍騎でも、ゾルダが似たようなせりふを言っていたように記憶する。
「英雄ってのは目指した時点で資格がなくなるのさ」だったか?


「ジロウ・・・やっぱまずいぜ、このままじゃ。」
「ええ。」
「お前を倒さないかぎり、襲われた人たちは元に戻らない。お前はまた、人を襲い続ける・・・」
「あなたも・・・・・・・・私の、仲間を。」


発言者 涼村暁(超光戦士シャンゼリオン) ジロウ(闇生物ダチュラー)
超光戦士シャンゼリオン


超光戦士シャンゼリオン。特撮ヒーローものではあるが、その物語は普段極めて喜劇的である。
だが、このエピソードだけは違った。
住むべき世界を失いこの三次元世界に現れ、人の生命エネルギーを喰らう怪物、闇生物(ダークザイド)。
ひょんなことから闇生物と闘うために開発された光エネルギー「クリスタルパワー」を浴び超光戦士シャンゼリオンとなったけど、むしろそのことを面白がった主人公涼村暁。

そんな暁は、ある時恋をした。ちょっと風変わりだけど青空のように純粋な心の、道ばたで手製のコーヒーカップを売っていた、どういう訳かジロウと名乗る少女。
だが、彼女の正体は闇生物ダチュラーだった。
そして、それだけならば騙されたとあきらめもつくかも知れないが、ジロウもまた暁を愛していた。闇生物にとって人間は本来餌のはずなのに。自ら仕掛けた罠を、自分の手で解除するほどに。
シャンゼリオンとダチュラーの一回目の闘い。互いに傷を負い、二人の住む探偵事務所に帰ってきて出会い、そして互いの傷を見て正体を認識してしまう。
泣き叫び、走り去るジロウ。

そして再び出会い、このセリフを言い、闘い。

「燦・・・然。」
という、変身のかけ声すら重々しく。

そして、ジロウは死んだ。

最後の最後暁が探偵事務所の相棒に漏らした、
「なぁ、明美。何だって神様は、ダークザイドなんか作ったんだろうな。どうして俺を、シャンゼリオンなんかにしたんだろ。」
という言葉もまた、あまりに痛く切ない。
・・・この方面をより真面目につきつめれば・・・かなりの大傑作になったのでは有るまいか?この作品。


「なんだよ、おい。・・・・・・こんなもん、怖くないぜ、別に。ただ、痛いだけじゃねえか。」

発言者 ハヤト
仮面ライダー1971誕生 著・和智正喜(マガジン・ノベルス・スペシャル)

そうだ。痛みなら、耐えるだけだ。
恐怖を吹き飛ばせ。
風のように。


発言者 <仮面ライダー>本郷猛
仮面ライダー1971誕生 著・和智正喜

呼応するセリフ。痛みとは、動物本能から来る危険信号である。
痛みとは恐怖の信号であり、生き物は己の生命を守るため、痛みという危険信号に従い逃げる。
だが、人間は。人間は時に、痛みを、本能を、恐怖を、逃げることを克服せねばならないときがある。
理由など要らない。強いて言うならば、それが人間だから。
それを常に行うのがヒーロー足る存在、言うなればヒーローとは、徹頭徹尾究極の人間なのかもしれない。


「待ちに待った時が来たのだ!多くの英霊が無駄死にで無かったことの証の為に!再びジオンの理想を掲げる為に!星の屑成就のために!ソロモンよ!私は帰ってきたぁ!」

発言者 アナベル=ガトー
機動戦士ガンダム0083

有名な台詞ゆえ、解説は不要と思われるが。
雌伏の時を強いられていた漢が、遂に怨敵に鉄槌を下す戦いに身を投じたときの台詞。男ならほぼ確実に(へたれな狂信的反戦平和主義者意外は)魂震える台詞であろう。


「一人でも多く、アクシズにたどり着くのだ!我々の真実の戦いを、後世に伝えるためにっ!!」

発言者 アナベル=ガトー
機動戦士ガンダム0083

こちらは、状況の変化からかもう少し深い意味合いを持つ。
彼らデラーズ・フリートの作戦は終了したが、周囲は十重二十重に敵・連邦軍に取り囲まれている。そして連邦軍は、この事件を無かったこととするためデラーズフリートを包囲殲滅しようとしているのだ。
そこで、この台詞を言い放ったガトーは傷ついた自機を駆り、突破口を開くために突撃していく。
前出の台詞と違い、悲壮感と歴史と言うものの一面を併せ持つ名台詞。


「奇跡は起きます、起こしてみせます!」
発言者 タカヤノリコ
「トップをねらえ!」

意志の力の強さと言う点では、これほど強い台詞も珍しい。
「奇跡を起こす」。
奇跡とは、その結果を目指して邁進したものに、最後に訪れる可能性。彼女のこの台詞は、まさにその邁進の表明だ。


「教えてやるよ、すいません、ごめんなさいとか、もうしませんって言ってみろってんだ!!」
発言者 カズマ
スクライド

相棒の君島をやられて、怒り狂った主人公・カズマがダース(見も蓋もなく言うと敵の戦闘員。イーとかは言わず、無言)たちをぶちのめしながら叫んだ台詞。
こういう怒りなどの激情がこもった台詞は、やはり力を持つ。


「強い女性だ、惚れがいがある!残りの生命を賭けるに値するほどっ!」

発言者 ストレイト=クーガー
スクライド

こちらもまた、強い台詞だ。残り少ない寿命とぼろぼろの体をかけて、惚れた女を守ろうと戦う男の叫び。
愛と命。それもまた大きな力がある。

「私は常に心正しく、心清らかで、心優しい・・・・・・完璧な『心』の持ち主。悩み苦しまなくてもすべての正しい答えを知っている私たちは、機械でしかないのでしょうか?」
「私は心を持っているのでしょうか? それは、本当に心と呼べるものなのでしょうか?私が大切にしているものすべてが、そう思考し、行動するように組み込まれた『完璧な心(プログラム)』でしかないとしたら・・・私はそれを考えるのがとても怖く、とても哀しい」


発言者 安藤まほろ
まほろまてぃっく

人口の自我をもつアンドロイドの、己への問いかけ。
自己、自我とは何なのか。人間、普通の人間にも通じる問いだが。
とりあえず、この場合の問いに対する回答くらいは用意できる。
この発言自体が「悩み」であり、悩み己を問うものは「心」であると。



「俺は俺の中に有るルールで貴様を悪だと断定する!」

発言者 劉鳳
スクライド

絶対正義を標榜しロストグラウンドを一方的に支配する組織HOLYに所属していた劉鳳だが、あるとき戦いの中で記憶を失ってしまう。
それがきっかけでそれまでのしがらみや常識から離れた、新たな視点から世界を見るようになった劉鳳。
その結論とでも言うべきが、この台詞に集約されている。
結局人は、自分自身の倫理規範を持って行動するしかないのだ。そして、それをもって行動するときこそ初めて、正義だ悪だと口にする権利が生まれる。そうでない奴、集団に乗り己の規範無しで行動するものは、ただの暴力機関の装置に他ならない。


「約束を守ったのさ。願いをかなえると約束したからな、京介は。ザボーは京介が追ってくると信じ、京介はそれに答えた。お前に教えたかったのだ。人は信ずるに足る存在だと。お前は生きねばならん。私とともに来い・・・」
発言者  包帯の怪人
TheSoulTaker

割と、主人公達の行動の説明っぽい台詞なのだが、それでもこの台詞はとてもはっきり印象に残る。
「人を信じること」に強い懐疑と嫌悪を示す秋葉めぐみ。それに、怪人ザボーが生涯最後にそれまでの殺戮ではなく満足のいく強敵との戦いをしたいという願いを、「かなえる」といった「約束」を果たすため、衛星高度から落下するザボーに一緒に落下しながら戦いを挑む主人公・伊達京介。
勝っても負けても死ぬ戦いに、何故京介は赴いたのかわからず叫ぶめぐみに、突然現れた包帯を顔に巻いたコート姿の人物(正体は後に明らかになるが、このシーンでは極めて不可解な、何か語部的印象を受ける)が言う、この台詞。
押さえたテーマソングがBGMとして流れる中、流れるこの台詞は場そのものといってもいい。そして、説明であるだけに明確に、このシーンの理念を示している。


「真実とは、問い続ける事にこそ、その意味もあれば価値もある」
発言者 黄信
ジャイアントロボ The Animation

実にストレートにしてシンプル、そして確かな言葉。シンプルすぎて、説明は無用であろう。


「命乞いでもしたらどうだ。魔法を封じれば、命は助かるかもしれんぞ」
「そんなの出来ません。」
「怖くないのか」
「怖いですよ、でも、でもここでそんなことしたら、助かったとしても、どうしていいばいいか分からなくなってしまいます。私は魔女っ子になりたいんです。ずーっとそう思ってきたんです。その想いが・・・消えちゃうじゃないですか。怖いけど何とか乗り越えれば、何とか・・・なりますっ!」

発言者 ノノノン パドドゥ
魔法遊戯

夢、目標、それに導かれる人生。
そんなものについて、微妙に触れる台詞である。これは3D版についてだが、2Dライコス配信版でもやはり似たような台詞がある。

「どっちにつく!?」
「女!」
「だろうな!」

発言者 次元大介 ルパン三世
ルパン三世カリオストロの城
冒頭のカーチェイス直前の台詞。
意味自体は単純なのだが、ルパンと次元、二人の関係とかスタンスをよくあらわしているし、「女!」って言い切るあたりが実にそれらしい。


「シンジ君、俺はここで水をまくことしかできない。だが君には、君にしかできない、君にならできることがあるはずだ。誰も君に強要はしない。自分で考え、自分で決めろ。自分が今何をすべきなのか。まぁ、後悔のないようにな。」
発言者 加持リョウジ
新世紀エヴァンゲリオン

有名アニメの有名な台詞、だけど。本当に、このシーン、決戦直前を静かに盛り上げるには絶妙の台詞である。
この話で最終回、でもよかったのでは(これは関係ない)

「ここは私に任せてください、みもりさん。」
「水守です!」
「・・・あってるでしょう?」

発言者 ストレイト=クーガー
スクライド

これは、ちょっと状況を良く理解しないと難しい台詞だが。
ストレイト=クーガー、この道化を装った戦士は、恋した女の名をいつも必ず呼び間違っていた。むろん、わざとだ。
体ぼろぼろで残りの寿命が少ない彼、決して幸せになどなれない冗談にしなければ悲しすぎる恋だったから。だが最後の最後、ただ一度、きちんと彼は名前を呼ぶ。
静かだけれども、十分に心に響く。


「簡単に諦めていい・・・・・・そんな出会いじゃ無かった・・・・・・」
発言者 シェリス=アジャーニ
スクライド

まさに、シェリス=アジャーニという少女を象徴する台詞である。
相手の男に、報いてもらえる可能性は零に近い愛。それでも、断じて諦めることが出来ない愛。彼女にとっては運命的で。
彼女の「運命」を表すような台詞。


「こんなチンケな俺にも、すぐ諦めちまうような俺にも、くすぶっているもんがあるのさ!」
発言者 君島和彦
スクライド

こちらはむしろ、彼の「役割」を・・・物語上の「役割」を表す感じの台詞。
半端だけど、それに甘んじられない。台詞どおりに奥底に秘めている・・・男気というか、勇気と言うか。

「兵士から任務を取ったら何が残る!?」
「人間が残るっ!!」

発言者 ラミア=ラヴレス シロー=アマダ
スーパーロボット大戦A

スーパーロボット大戦だからこそ出来る名台詞、と言ったところか。オリジナルキャラで、実は敵軍のスパイアンドロイドであるラミア=ラヴレスと、ガンダム世界きっての熱血漢、シロー=アマダ。任務達成を第一とするラミアの問いに対しての、まさにシローらしい回答である。

「甘い・・・甘すぎるな、ロンド・ベル。」
「そのようにしか感じられないのですか?隊長。」
「ラミア!?お前何故ここに!?」
「時にはその甘さが人を支えてくれる、私はその味を知ってしまった。」
「言ってくれるな、人形が!」
「人形どころかドモンの馬ですらその大切さを知っていますよ?」

発言者 アクセル=ヴァルマー ラミア=ラヴレス
スーパーロボット大戦A

そして、前出の問答で成長したラミアが、昔の上官アクセルに叩き付けた皮肉がこれ。言葉の中に出てくる「ドモンの馬」というのは「機動武闘伝Gガンダム」の主人公、ドモン=カッシュが師匠東方不敗マスターアジアから譲り受けた馬・風雲再起のこと。

かなりきついが、「馬でも知ってる」というのは面白いし凄い。

「司令! カドミウム弾はもうありません! 通常兵器だけです!」
「かまわん。離陸!」

発言者 首都防衛空中要塞スーパーX副官 同要塞司令
ゴジラ(1984年度版)

盟友、清水三毛殿からの推薦台詞。

戦場の緊迫した一瞬と、防人の覚悟を表す名台詞である。

シャドー殿よりご紹介いただいた台詞(そのままの引用なので書式が違いますが)

「星のカービィ」第18話「眠りの森のピンクボール」より。
デデデの送りこんだ魔獣ノディを吸い込んで「眠り病」にかかってしまったカービィを救うため、バババヶ原の奥深くの洞窟の中に咲くという伝説のピューキーの花の匂いをかがせようと旅立ったブン(フームの弟)とロロロとラララ(大臣の召使い)。彼等が心配なフームは、メタナイト卿(王家に仕える騎士)と共に後をつけるのだが、案の定トラブルの連続。メタナイトの影からの活躍のお陰で、ようやくピューキーの花にたどり着いた一行だったが、ピューキーは実は獰猛な肉食植物であり、それこそがデデデの狙いだったのだ。間一髪で助けに入るフームとメタナイト卿。同時に、今までトラブルを乗り越えてきたのが自分の力ではなく、メタナイトの手助けによるものだと知ったブンは絶望する。無言でピューキーに立ち向かって行くメタナイトに背を向け、その場を去ろうとするブンに対して――

「帰るつもり?」
「オレは用がないんだろ」
「何言ってんだ!」
「本当の英雄があそこで頑張ってるんだろ」
「ブン! あなたは何をすねてるの!」
「すねてなんかない!」
「じゃあ、あなたは英雄を気取りたくてここまで来たの? 違うでしょ! カービィを救うためでしょ!」

呼び止めたのがロロロとラララで、下から三番目と一番下の台詞がフームの台詞です。英雄に必要なもの、それは純粋に他者を助けたいという想いなのですよ。この後のブンの言動がカッコよすぎ。ブンファン急増。

シャドー殿よりご紹介いただいた台詞(そのままの引用なので書式が違いますが)

「星のカービィ」第22話「孤島の決戦・老兵は死なず!」より。
謎の竜巻のせいで離れ小島に漂流してしまったカービィ達は、そこでダコーニョと名乗る銀河戦士団の生き残りに出会う。彼は銀河大戦(全宇宙の侵略を企む「ホーリーナイトメア社」率いる魔獣軍団と、それに対するレジスタンス「銀河戦士団」の戦い。結果は銀河戦士団の負け)がまだ続いていると思いこんでおり、カービィを魔獣と勘違いしたりしたが、やがて戦争が終結したことを知り、フームにププビレッジに来ないかと勧められるのだった。そこへデデデ大王が魔獣を連れて、カービィを追ってきた。謎の竜巻は魔獣の仕業だったのだ。ダコーニョは魔獣に立ち向かって行くが、返り討ちに合ってしまう。急いで撤退するが、攻撃のあおりで倒れてきた木にダコーニョが挟まれてしまう。必死に木をどかそうとするフーム達にダコーニョは「逃げろ」と言う――

「お前達は平和のために戦ってくれ」
「かならず勝てる。たとえ疲れ果てようとも。叶わぬ夢に手を差し伸べるのなら。魔獣に立ち向かう戦士が一人でも……」


ダコーニョのモデルが某日本人なのは言うまでもないですが、銀河戦士団の敗北を認められず、頑固に戦争は続いていると言い張っていたのが痛々しかったです。それだけ戦いに掛けていたものが大きかったのでしょう。銀河戦士団はほぼ全滅。そんな状況の中、未だ大儀を捨てていない彼は「漢」です。

シャドー殿よりご紹介いただいた台詞(そのままの引用なので書式が違いますが)

「星のカービィ」第28話「恐怖のデデデ・ファクトリー」より。

「真実を叫ぶものは常にわずかじゃ。大多数の人々には理解されない」
「世の中がよくなって恩恵を受けても、多くの者はそれが誰のお陰かを忘れる。知識人の宿命じゃよ」


村に巨大な工場を作り、村人達を「遊び」と称して働かせるデデデ大王。村人は「遊び」に夢中になり、更に工場で作った便利グッズ(家電製品)が貰えるため大喜び。しかし、工場の真の目的は不明であり、それを訴えるフームだったが、村人には聞き入れられない。そのときにキュリオ氏(考古学者で、村一番の知識人)が言ったのが、上の台詞。下はカービィのおかげで一件落着し、後日談の中で出た台詞。
彼にもいろいろあったのかなぁと思ってしまいます。実際、真実を訴えたものの、ただの馬鹿扱いされ、当人の死後ようやく真実が顔を出したということはかなりありますし。知識人というのも大変ですね。

シャドー殿よりご紹介いただいた台詞(そのままの引用なので書式が違いますが)

「星のカービィ」第43話「ヒツジたちの反逆」より。
数年前ププビレッジを脱走したヒツジ・アモンは、農場で飼われているヒツジを煽り、村人達に反逆を開始した。村人達を追い詰めたアモンだったが、彼は脱走中、知らず知らずのうちにナイトメアに魔獣にされていた。カービィと対決するアモンだったが、フームが吹いた羊飼いの笛の音を聞いて正気に戻ってしまった他のヒツジ達を見て、反乱を諦め自らも元の姿に戻る。農場でいつも通りの生活に戻ったヒツジ達を見てアモンは呟く。

「ヒツジにはヒツジの幸せがあるようだ」
「お前はそこから抜け出した。偉いよ」
「だが、もう後戻りはできない。俺は狼として生きていく。魔獣でなくなった今こそ、本当の自由を探そう」


動物にとっての幸せとは何ぞやと小一時間……。動物園や家畜などは束縛されて可哀相という話を聞きますが、案外保護されてそっちの方が幸せだと思ってるかもしれません。

シャドー殿よりご紹介いただいた台詞(そのままの引用なので書式が違いますが)

「星のカービィ」第49話「アニメ新番組・星のデデデ」より。

「じれってぇアニメだな、もー」
「さっきから全然動かないで、突っ立って喋ってばかり」
「動かすのが大変だから、おしゃべりしてごまかしてるんだ」
「しかも動いてるのは口だけ」
「でもほら、カメラワークはあるわ」
「動いてるように見せかけているだけ。これじゃ詐欺よ」
「こういうアニメは安く作れるね」
「お金も時間もないんだから、しょうがないでゲショうが」


デデデ大王が村人をこき使って、アニメを作らせる話なんですが……この話、ファンの間で伝説になった問題作です。全編、アニメ業界のメッタ斬り。全ての台詞が名(迷)台詞なのですが、その中の一節を抜粋しました。この話のせいで、アニメを見るたびに「一枚絵だ」「口しか動いてない」とか、いちいちチェックを入れるようになってしまいました。
この話の最後のフームの台詞が全てを示しています。

「酷さを極めると、芸術ね」

てか、この回は人類なら必見の爆笑もの。我、一押し。

シャドー殿よりご紹介いただいた台詞(そのままの引用なので書式が違いますが)

「星のカービィ」第67話「魔獣教師2」より。
村のがきんちょを教育するため、ホーリーナイトメア社から学校を買ったデデデ大王は、教師役をフームに依頼する。しかし、ホーリーナイトメア者の刺客・不良生徒ヨタ、グレ、バンチョのせいで暴力教師に仕立て上げられてしまったフームは、「ゆとり教育」の名のもとに解雇させられてしまう。フームのいなくなった教室では不良達がやりたい放題。完全に学級崩壊しきった教室に、メタナイト卿から武術を教わったフーム先生が帰ってきた。フームは習った武術で不良生徒を見事にのしてしまい、他の生徒達は彼女を称えるが、フームは突然、涙目で「やめて!」と叫んだ。

「あたし、先生じゃないわ。教室でこんな暴力を引き起こしたのよ」
「仕方がねぇさ」
「そうさ。悪いのはこいつらだろ」
「先生は悪くない」
「これからも頑張って」
「……聞いて。熱血先生がいれば解決すると思っているのね。でも、現実はドラマとは違う。先生って弱い立場なの。皆のためと思って叱らないようにすると、やる気がないと言われ、反対に頑張りすぎると暴力教師と呼ばれる……。先生はどうすればいいの……。
 先生も力不足かもしれない。でも、立場を理解してほしい。もちろん、あたしはこんなこと言う資格はないわ。でも、先生ばかりに責任を押し付けないで。お願いよ……。
 ……じゃあ、さようなら……」


私の教育観をがらりと変えてしまったお話。自分、影響受けやすいのかなぁ。

「君の星の戦士とは他人を殺す者を言うのかも知れないが、地球の戦士は他人を守る者を言う。」

発言者 ノージル=バレンタイン(若き日の)
キカイ博士ノージルV 福原鉄平

最終第十一話「地球戦士その名はノージル」より。若き日のノージル=バレンタイン博士が、地球を侵略した宇宙人の戦士、R星人のアルカナイカ姫に対して言った言葉。全ての戦士がこの本分をわきまえていれば、この世界はどれだけ素晴らしくなるだろうか・・・

「葵豹馬が命乞いするか・・・?アムロ=レイが・・・剣鉄也が命乞いするか?流竜馬が命乞いするか!?俺だって同じだ!命乞いなんてするものか!!」

発言者 ユージン=コズラヴスキー
スーパーロボット大戦IMPACTコミック衝撃騎士団(インパクトナイツ) 環望

この作品は、PS2ゲームソフト「スーパーロボット大戦IMPACT」を元とした漫画なのであるが・・・歴代スパロボの中でも特にボリューム満点な原作を反映してか、実に熱く濃い!さらに原作以外のエピソードもある。特に、この台詞が出た「無名戦士ユージン=コズラヴスキーの戦争」は出色の傑作です。スーパーロボットとそのパイロットが活躍する世界において、彼は全く無名で、どこにでもいそうな一人の兵士に過ぎません(原作には登場しないオリジナルキャラクター)。毎日、「主人公達」であるスーパーロボット軍団・ガンドール隊の下支えとして偵察行動を行うだけの。そんな彼が己の些細なミスで窮地に陥ったガンドール隊を守るため、ただ一人敵軍に立ちはだかり、敵に「どうした虫けら・・・命乞いせんのか?」と言われたときの台詞がこれ。

無名でも、英雄でなくとも、戦い抜く「兵士」の意地が、そしてヒーローという「希望」の力が、溢れている。

このほかにも台詞こそ抜粋しなかったが、「平和を知らない」子供達と主人公達の邂逅・第二話「僕の故郷は戦場だった」も、また名作である。

「あいつは俺の片翼だ。返してもらうぞ!!」

発言者 キョウスケ=ナンブ
スーパーロボット大戦IMPACTコミック衝撃騎士団(インパクトナイツ) 環望

キョウスケ=ナンブという男は、スーパーロボット大戦シリーズにおけるオリジナルの主役キャラの中では、群を抜くほどかっこいい男である・・・いや、格好いいというのは語弊があるか。そう・・・男らしい漢、だ。とても。無口でクールに見えるけど、その実誰よりも熱い・・・この男に太刀打ちできるのはせいぜいゼンガー=ゾンボルトくらいであろう(リュウセイでは問題にならず・・・我輩的には)

敵に奪われた恋人を取り返すときの言葉がこれなのだが・・・簡潔でかつ凛々しく、それでいていかに相手を大事に思っているかをはっきり表している・・・堪らぬ。

そんな熱い熱い「衝撃騎士団」最終話「出口無し 明日に向かって撃て」は全篇名台詞といっても過言ではない。

「アルフィミィ!いいから、もう戦わなくていいから!」
「私は失敗作・・・ならば最後に与えられた使命を・・・貴方達とともに・・・死・・・」
「なぜそう決めつける!奴らがそういったからにすぎん!お前の考えはどうなるっ!!」
「私は・・・彼らに作り出されたから・・・」
「それを言うなら私の体だってヤツラに作り直されたものよ!でも私のキョウスケへの思いは奴から与えられたものじゃない!仲間を守りたいって気持ちも!あなたを助けたいって気持ちも私だけのものよ!あなたはどうなの!!」

発言者 エクセレン=ブロウニング アルフィミィ キョウスケ=ナンブ
スーパーロボット大戦IMPACTコミック衝撃騎士団(インパクトナイツ) 環望

「感情」をノイズとして切捨て、戦い打ち破り征服して広がっていくことをこそ「純粋な生命」として今の人間の世界をリセットしようとする敵・アインストが一度死んだキョウスケの恋人・エクセレンを再生させ、その情報から作り上げた「新しい命のプロトタイプ」アルフィミィ。彼女は人間に似た感情を持つが故に失敗作とされ、命令のままに戦い「新しい世界」を作るために死のうとするアルフィミィを説得するエクセレンとキョウスケの台詞。

「認めません・・・認めませんの・・・私のキョウスケへの想いを・・・私が「私」になりたいというこの想いを・・・ノイズだなんて・・・言わせませんの!」

発言者 アルフィミィ
スーパーロボット大戦IMPACTコミック衝撃騎士団(インパクトナイツ) 環望

そして、アインストを抜けてその一部ではなく「アルフィミィ」として生きる意志を明らかにしたときの、彼女の台詞。まさに、その決意がストレートに表現されている。

「作られたまがい物の命でも・・・懸命に生きる命がある・・・己が情熱を賭ける心がある・・・お前には・・・生命というものが・・・生きると言う意味がまるでわかっていないっ、お前に宇宙を継ぐ資格はないッ!」

発言者 ドモン=カッシュ
スーパーロボット大戦IMPACTコミック衝撃騎士団(インパクトナイツ) 環望

「お前の言うとおり我等は戦う、人を思う心のため!人を恋うる心のため!」
「人それを赤心・・・って言うんだぜ、お前の辞書にはないだろう。覚えておきな!」

発言者 ロム=ストール ジョウ=マヤ
スーパーロボット大戦IMPACTコミック衝撃騎士団(インパクトナイツ) 環望

そしてそれを受けてのドモン、ロム、ジョウの台詞。ロムとジョウの台詞はそれ以前のロムの登場時きめ台詞とリンクさせてある。ドモンのは、特に「命」について考えてある、いい台詞だ。


「この衝撃が生きるっていうことだ。」

発言者 キョウスケ=ナンブ
スーパーロボット大戦IMPACTコミック衝撃騎士団(インパクトナイツ) 環望

そして、最終敵ノイ・レジセイアを倒して、キョウスケの台詞。やはり簡潔で、力強い。

「奴らが・・・ノイズとして切り捨てようとした感情が・・・今、俺たちを救おうとしている!この想いが・・・ノイズなんかである筈がないっ!!」

発言者 キョウスケ=ナンブ
スーパーロボット大戦IMPACTコミック衝撃騎士団(インパクトナイツ) 環望

こちらは彼の台詞としては長目だが、それでもやはり静かな中に意志があり、決然としている。


斬魔大聖デモンベインの名台詞・・・と、その前に説明。(っちゅーかもう、感想だなこれは)

斬魔大聖デモンベインとは、早い話がPCゲームである。・・・それも、大声ではいえないが十八歳未満のヒトは買っちゃ駄目な。

だが!だがしかし!

「荒唐無稽スーパーロボットADV(アドベンチャーゲーム)」と銘打たれたこの作品は・・・燃える!本当に燃えるのである!

我が心のスパロボランキングではそれまで小説「南国戦隊シュレイオー」「歩兵式戦闘車両00」が同点三位、二位一位をOVA「トップをねらえ!」とアニメ「勇者王ガオガイガー」が激しく争い、ややガオガイガー有利か?と思っていたところを・・・

あっさりぶッちぎって我が心のスパロボ第一位を強奪してのけるほどに!(ガオガイガーはFINALをまだ見ていないので、逆転の可能性があるが)

まぁ、このゲームを製作したニトロプラスという会社、元々そういうゲームなのにそういうシーン(どーゆーシーンかは深く聞くな)や萌えるキャラクターなどなど全然うっちゃっといて、全力でガンやカーチェイス・吸血鬼やサイボーグ・アンドロイドなど異形を使いまくったバトルアクションに力を注ぎまくる、以前からある意味異色の会社だった。現在PS2でも発売されている、マフィア組織に洗脳され殺し屋にされた少年少女のバイオレンスガンアクション「Phantom The Infelno」(ひょっとしたらつづり間違ってるかも)や、秘密結社「イノヴェルチ」の作り出した吸血改造人間「キメラヴァンプ」や幹部の純血吸血鬼「三銃士」たちと主人公である「吸血鬼に変身する人間」ヴェドゴニアが戦う吸血鬼モノ+仮面ライダーな「吸血殲鬼ヴェドゴニア」(この二作品はスニーカー文庫で小説化もされている。請う、購読)、近未来の香港で、復讐に燃える剣士が犯罪組織のサイボーグ格闘家たちに挑んでいくサイバーパンク武侠「鬼哭街」(分岐一切ナシという異色のノベル作品)、かなり真剣な人造人間モノの「Hello,World」など・・・・・・

だがその中でも、特に「デモンベイン」は凄い・・・凄すぎる。

何しろ名台詞を抜粋したら、多くて多くて別の専門コーナー作んなきゃ、ただでさえ重くなりすぎのこのコーナーが破綻する恐れがあるほどの大量に(笑)。

故に、此処をクリックしてください。(注・十八歳以下でも大丈夫ナリ)

村正宗殿よりご紹介いただいた台詞。

「機械が己の存在に疑問を抱き始めたら、もうそれは人間と変わらんのじゃないか?」

発言者 ウォルフガング
勇者特急マイトガイン

葛藤する人造人間ユリウスに対する、ウォルフガングのセリフ
“「人間」とは己の存在に疑問を持ち、問い続ける者”
問い掛ける形だが、そう答えているように思える言葉

侮りがたし、ジイさん。

「兄貴は何でも出来た。だから何でも捨てた。それが羨ましく許せなかった。わかっている、俺の思想原理は兄貴へのコンプレックス。客観的かつ論理的に分析できる。でも。叫ばずにはいられない。俺は・・・誰よりも強くならなくてはいけないんだ!」
「ジィィーーーール・ボーーーーーーイ!!!私は誰よりも強く生きなければならないんだ!」
発言者 ジール・ボーイ プリセラ
マテリアル・パズル 著・土塚理弘

「強くなる」と、「強く生きる」。似ているようで、違うモノ。プリセラという、「生きて戦い続けることを強制させられている存在」という要素が、この対比を更に鮮烈にしている。

「己の意思を持たないのならば、生きている理由などあるまい。」
発言者 ハカイダー
映画「人造人間ハカイダー」

住民を洗脳し支配、上辺だけの平和を保つ完全管理都市ジーザスタウンの治安維持の主力、重武装兵に襲撃されたハカイダー。
逆にその部隊を撃破するが、ハカイダーの豪腕につかまった兵士が命乞いに「俺は上からの命令を受けただけなんだ」と泣き言を言うが、それに対しての台詞。
苛烈であるが、しかし確かにその通りの台詞である。権力の威を借りておいて、都合が悪くするとそのせいにするなど。
漫画版「スクライド」にも同様の意味の台詞があったが、オリジナルは当然こちらである。

「殺したんだ、たった一つの希望を・・・お前たち見て見ぬふりの、何も戦いもしない連中が・・・殺したんだ。くたばっちまえ!」
発言者 カオル
映画「人造人間ハカイダー」

ハカイダーの力に希望を見たレジスタンスの少女、カオル。しかし治安部隊の奇襲によりハカイダーはスクラップの山の中に転落、自身も重傷を負ってしまう。
ハカイダーが死んだと思った彼女は重傷の身を引きずるように街をさすらい、そして呟く。
藤岡弘氏が「仮面ライダー悪の系譜」のインタビューのなかで言っていたが、世の中というものは対立において日和見をしているものがどう動くかで決まる。自分達がどれほどの影響力を握っているかに気づかずあるいは気づいても知らん振りしている日和見が、或る意味で一番たちが悪いと。


「お前のようなものが存在するとはな。人間であろうとロボットであろうと、秩序のための規律は守らなければならん!」
「くだらん。誰の作った規律だ。俺はそんなものを受け入れたした覚えは無い!」
「私は、正義。私は秩序の守護者。正義の名の下に、貴様を処刑する!」
「そうか。お前が正義なら・・・俺は、悪だ!」

発言者 ミカエル ハカイダー
映画「人造人間ハカイダー」

そしてカオルの願いを受けて立ち上がったハカイダーは重武装兵たちを蹴散らし元老院中枢へと乗り込む。そこに待ち構えていたのは、みずからを正義と名乗る治安維持用戦闘ロボット・ミカエル。
それに対してのハカイダーの台詞が、これ。悪であってもなんであっても、貫くと誓った思いがある。故に、いかなるものをも破壊し進むことが出来る。
この映画でのハカイダーというキャラクターを象徴する台詞。

cast in the name of god ye not gilty
発言者 THEBIGシリーズ、コクピット内液晶表示
THEビッグオー

意味は、「神の名においてこれを鋳造する 汝等、罪なし」。THEビッグオーにおいて、ビッグオー、ビッグデュオ、ビッグファウの三体のメガデウス(かつて世界を滅ぼした巨大ロボット「神の乗り物」)の起動時にディスプレイに現れる文字で、元々は独逸で死刑執行用の首切り剣に刻印されていた文の英訳。文の是非はともかく格好いい演出だと、思っていたのだが。

しかし我が弟HN「まんぼう」が、ある時こういった。

「このcast、配役する、という意味もあるね。」

・・・ああっ!?(驚)

マジで驚いた。なぜかといえばこのTHEビッグオーの世界は一種の劇場空間のような世界で、四十年より前の記憶が存在せず、そしてまるで舞台仕掛けのような設備が町の幾箇所かにあり、「この世界は架空の存在で、人はその役割に配役されて演じている役者に過ぎないのではないか」というような疑惑が常に主人公達を苦しめるのだ。そこにきて、この「cast」である。もしもこれが配役と言う意味なら、「神の名においてこのように配役する、汝等、罪なし」・・・ううう、これもありそうで怖い。原作者の意図したものかはわからないが、なんか凄くありそう。

「我が名はゼンガー!ゼンガー=ゾンボルト!!悪を断つ剣なりぃぃぃぃっ!!!」

発言者 ゼンガー=ゾンボルト
第二次スーパーロボット大戦α

「第二次スーパーロボット大戦α」一、否スーパーロボット大戦シリーズ一の「漢」、ゼンガー=ゾンボルト少佐のキメ台詞。

コメント不要なまでのらしさ爆発台詞です。



「あんたに教えてやろうな、美食家の『常識』を。『人が泣いてる横で食べるご飯は美味しくない。』あんたは民の泣き声も聞こえず、おいしく料理を食べられるわけだ。ならあんたの大層な料理(これ)は、もう人の食い物じゃないなぁ。
「民を忘れその毒を口にした王はどうなった?ありとあらゆる高価な料理を食いまくり、国中の草木や湖や家々を料理して食べつくした王は、どうなったと思う?自分の国を魔神に奪われて、今も一人ぼっちで砂漠を彷徨っているそうだ。その王は美食と言う名の、毒を食った。


発言者 美食王
美食王の到着 藤田和二郎

増刊「サンデー超グレート」に掲載された読みきり短編よりの台詞。「美食」、食事というものの本質をとらえた台詞。海原雄山に聞かせてやりたい感じ。

「何故あんな怒りに任せたかのような攻撃を・・・!?」
「怒ッテルカラニキマッテルデショウ!!」


発言者 ヒッツァー博士 ロボット警官ルイ
人造人間ガロン

週間初年ジャンプに掲載された、新人の投稿と思しき読みきり作品。絵のタッチなどまだまだ若書きの印象は否めないが(人のこと言えた立場ではないが)、とても暖かい、優しさのある作品のように感じた。

そんな中から台詞で選ぶならこれ。ロボットの感情を認めない科学者ヒッツァーが、自分の製作した戦闘用アンドロイド「ガロン」が仲良くなった女の子が死んだと思い暴走気味に暴れまわるのを見て上の台詞を言い、聞いていたロボット警官のルイが答えた。

確かに怒ったたような行動をしているってことは、怒っているということ。そんな当たり前のこと・・・だけど、大切にしなきゃいけないことだと思う。

この漫画において一番いいシーンはでも本来台詞ではなく、戦闘用に鋭い爪を持っているがゆえに握手の出来ない人造人間ガロンに、ヒロインの女の子が「がっ」、と腕を組むことで友情を示すシーンだと思う。結構・・・好きだ。

「何故ですか、ご主人様?わたくしどもが無償の愛をささげているというのに、どうしてそれを受け入れてはくださらないのです?」
「無償だぁ?お前らの愛なんて駅前で配っているティッシュと一緒だ!」
「そのこころは?」
「ただでもいらんもんはいらんっ!!」

発言者 セリオラ 阿仁谷圭一
アニレオン!2 葛西伸哉
「うるせえっ!友情ってのは同性の間で恋愛の代わりにやることか?恋がガ○ダムで友情はコストダウンしたG○か?違うだろ!
「恋と友情と、それに家族の愛情とか、それぞれ意味が違う別々のもので、優劣なんかなくて、みんな大切なんだよ!水と空気とメシと、全部必要でどっちが上とか下とか決められるか!」

発言者 阿仁谷圭一
アニレオン!3 葛西伸哉

二つとも、けだし名言というべき台詞。恋愛感情について深く踏み込んだ作品であるこの「アニレオン!」シリーズにおいても、特に深いのがこの二つの台詞であろう。


「ひとりは・・・寂しい。本当は、主殿をあのまま、死なせるべきだったのかもしれない。じゃが・・・これだけは言える。妾はお前様が憎もうと唾を吐きかけるほど嫌おうとも、お前様の側にいる。主どのの命運が尽きるまで側にいる。」
発言者 鬼姫
鬼姫斬魔行 神野オキナ

「鬼姫」。永劫の時を生き、認めた存在に力を与えるという「契約」をしたもの。彼女の力を受けたものは、その巨偉大な力ゆえに心の中に闇が生まれる。総てをなしうるということは、すなわち歯止めが消えうせるということ。
ある拍子に湧き上がったその自分の心の闇に恐怖する主に、鬼姫はこういった。
・・・とても、とても。
切なくて、不器用で、悲しい台詞。
永劫の時を生きる。それは、それ自体では問題はなかろう。しかし鬼姫は契約に縛られ、力を渡す相手が来ないならばずっと一人山の中にこもっていなければならなかったのだ。
ゆえに、あまりに、切実。


「砲弾、足りますかねぇ?」
「知らねぇや!とにかく撃ちまくれ!兵隊さんがいねえんだ!敵が近づいてきたらおしまいだぞ!」
「おい、俺達は兵隊だぞ!」
「すまねえな、砲兵隊で大砲撃ったら、身分も種族も関係無しに、その瞬間から誰でも砲兵なんだよ。平等だろ?」
「ああ、畜生め、素晴らしいな、平等だ。何もかも伝染病(はやりやまい)みたいに平等だ!」

発言者 砲兵たち 歩兵だった砲兵たち
星魔の砦 神野オキナ

台詞の趣旨を尊重して、あえて集団名とし、個人名は記載しないことにした。
未だ身分制度の有る社会において、この台詞がどれほど痛快な意味を持つかは、すこし想像をめぐらせれば分かるというもの。


「お人よしですなあ、魔導官長殿。」
「ええ、そうでしょうね、伯爵。」
「でもね、伯爵。私は利口な人間なのよ。そしてね、利口な人間は馬鹿な人間の頼みには勝てないの。」

発言者 ダヌート伯爵 サラファノ
星魔の砦 神野オキナ

なんとも粋な台詞である。そして、優しさと知性が有る。
馬鹿でもそこに一途さが必死さがあれば、それはいかなる知性から生まれた言葉よりも強く、人の心を動かすことが出来る。
ましてやそれを理解できるだけの「利口な人間」なら、なおさら。


「お前は、怖くないのか!死ぬんだぞ!」
「怖いさ。だけど、此処で逃げ出せば、さらに無駄な犠牲を重ねたら・・・そっちのほうがもっと怖い。」

発言者 ライゼラ イセンブラス
星魔の砦 神野オキナ

奇しくもほぼ同時発売のPCゲーム「斬魔大聖デモンベイン」主人公の言葉と類似した台詞となった。
それだけ、この台詞には力がある、ということだろう。
このイセンブラスの場合、力強い印象のあった大十字九郎よりもさらに、失った経験が多いがゆえに、より切実かつ必死な叫びとなっている。

「蛇口をひねれば飲み水が出る。スイッチを入れれば電気がつく。暑さ寒さで死ぬ心配はない。不当な理由で逮捕され、投獄される心配もない。戦闘に巻き込まれたり、虐殺におびえることもない。その辺を散歩していて地雷を踏んだり、警告無しの発砲で射殺される心配もない。食糧はたっぷりあって手持ちの金で買うことができる。疫病に冒されたり、栄養失調で生命の危機に瀕しているわけでもない。五体満足で医者の世話にはなっていないし、自分の足で行きたい場所に行ける。何より明日の心配をせずに眠れるーーこれを恵まれていると言わずに何を恵まれていると表現する?俺は確実に断言できるぞ。『私は地球上に生きる全人類の七割よりも恵まれています』とな」
発言者 南雲慶一郎
リアルバウトハイスクール

日本人の言うところの当たり前の生活・・・それがどれほど恵まれた者であることか。
一度、良く考えてみる必要がある。

「思い出せ。あたしは――塔のてっぺんに閉じこめられて、毎日ため息をつくだけのヒロインだったか? 白馬の王子さまや、勇ましい騎士団がいなくなってしまったからといって、めそめそ泣くだけのお姫様だったか?断じてちがう。行動するのだ。だからあたしは、千鳥かなめなのだ。」

発言者 千鳥かなめ
フルメタル・パニック!終わるデイ・バイ・デイ 著・賀東招ニ

こういうヒロインの思考パターンは、現代になって生まれた者だという。まさにそう言う意味現代の女の子である千鳥かなめだが、しかし。
貴方が仮に窮地に立ったとして、このようにきちんと考えることが出来るであろうか?
前向きに、恐れず、希望を捨てず、立ち上がることが出来るだろうか?

そう言う意味で、名台詞である。

「ロボットとして、軍人として、今日まで神国の繁栄こそ守るべき大義と信じてきた。だが!媛(ひめ)を犠牲にして得る繁栄など、正義ではない!!」
発言者 マスラオ
LAMPO THE HYPER SONIC BOY 上山徹郎

「人間は、不完全な存在だ!人は優れた知性と理性を持って生まれながら、その肉体はあまりに脆弱! 誰もが現実という旅路の中で傷つき、その理想を見失う。人の歴史は常に精神と肉体の相克だった。ゆえに我ら・・・機械が生まれた!! 目をくもらせる疲労。足をすくませる苦痛。その全てを乗りこえるゆるぎなき意志の結晶。それがロボットだ!マスラオ!些事に惑い、あまつさえ「正義」などと陳腐な言葉を口にした時、きさまは機械としての生を終えた。壊れたのだ!!」
「拙者が壊れていると申すか・・・それもよかろう。もはや直そうとは思わぬ!」

発言者 ウンリュウ マスラオ
LAMPO THE HYPER SONIC BOY 上山徹郎

ロボット、AIを備えた知能を持つロボットの名台詞は数あれど、、これほど力強い台詞は珍しい。
そしてこの「反逆」の台詞・・・ロボットの意義に問いかける反逆をなしたのが、日本的な名前と武士的な性格・意匠を与えられたロボットであったというのがまた興味深い。
ロボットの「反逆」をSF的アイロニーではなく肯定的に捉えるのは、恐らくこの日本で、そして手塚治によって始められた。この作品と同じ、漫画で。
まさに歴史の必然。実に実に興味深いものだ。

「一緒に働いて、一緒に飯を食べた!彼女はもう仲間でごじゃる!」
発言者 パパ
天使になるもんっ!(漫画版) 大野哲也

実に明朗快活な仲間の定義。
しかし、人間時にこれくらい分かりやすい思考をしたほうがいいときもある。

「この雨だって絶対やむよ。そしたら青空になる。今だって、この雨を降らせてる雲の向こうにはどこまでも青空が広がってるんだ」
発言者 五代雄介
仮面ライダークウガ

飛行機に乗るとこの言葉の映像的な面はつかめる。雨雲の上の蒼い空。
そして、追い詰められ悲しみに打ちひしがれ希望を失ったときこの言葉を思い出せば、その本当の意味に気づく筈。
苦しみの向こうには、希望の青空は必ずある。

「あの場へいってはいけません。あなたも魂をひきずられてしまう。」
「う?」
「戦いでしか物事を解決しようとしない人達は、いずれ滅びてしまいます。それはしかたのないことでしょう。ですがそれに我々が引きずられてはなりません。私にはニュータイプの力は、神が与えたもうた力だと思えるのですよ。戦って、滅んで行くしかない人類に投げかけられた生き延びる術・・・希望。ですが。今はまだあまりにもその数が少なすぎる。だからあなたはもっと先を見てトビア。貴方の力を汚れた戦いに使ってはいけないの。」
「我々は選ばれた人間だから、選ばれなかった奴らは放っておけってか?へへへ、ベラ艦長がとらえた木星兵を帰しているのをみたときは、流石に俺も馬鹿なことをしてるもんだと思ったけれど・・・あんたよりははるかにましだ!」
「トビア!」
「どけっ!」
「トビア!いうことをお聞きなさいっ!」
「俺は人間だ!人間で沢山だっ!」


発言者 シェリンドン=ロナ トビア=アロナクス
機動戦士クロスボーンガンダム 著・長谷川裕一

「神よ、もしおられるのでしたら、決着は「人間」の手でつけます。どうか手を・・・お貸しにならないで・・・」
発言者 トビア=アロナクス
機動戦士クロスボーンガンダム 著・長谷川裕一

「安心したよっ!ドゥガチっ!あんた・・・まだ人間だっ!ニュータイプでも新しい人類でも・・・異星からの侵略者でもない!心の歪んだだけのただの人間だっ!」
発言者 トビア=アロナクス
機動戦士クロスボーンガンダム 著・長谷川裕一

ガンダム史上、もっとも「人間」について迫った作品、機動戦士クロスボーンガンダムの名台詞たちである。
ニュータイプなどという神がかりの力に頼らず、総てを滅ぼそうとする狂気のエゴに堕ちず、強く生き抜こうとする人間賛歌。
それを強く顕す台詞である。

「人は一人でも生きていけるけど、それじゃあ生きていくことしかできないんだ!!」
発言者 沢村司
家族計画

凄く、これは大切な言葉だ。
「生きていくことしか出来ない」。つまり、人は本来「生きていくだけ以上」の存在であるということ。
そして、それを・・・人を人足らしめる、生きていく以上の理由、それこそが「人との絆」である、と。

輝竜戦鬼ナーガスの名台詞(感想と一緒に、こっちで)

「あたし一人だけなら・・・とことんやったって誰にも迷惑かかんないしさ・・・」
発言者 麻宮サキ
スケバン刑事 著・和田慎二

少し、寂しい台詞である。しかし同時に、優しい台詞である。
たった一人で最後の決戦に向かおうとするサキ。何故一人でそこまでするのかといわれ、返した言葉がこれ。
孤独に聞こえる。しかしそうではない。仲間が大切だから、その仲間に心与えた絆があるから、それ故の不器用な台詞。
そしてそれでも結局恭一郎もムウ=ミサも同じ場所へと赴くあたりが、確かにその絆を証明する。

怪獣には味方がいないよね

みんなが考えてる

どうやって倒そうか

どうやって去らせようかと

「ここにいてはこまるんだ」と

みんなが思っている

み〜ちぇの味方は誰なんだろう

ほんとうの 本当の味方がいてくれれば

怪獣は怪獣をやめるかもしれない

怪獣は怪獣でなくなるかもしれない

そう思ってまだ生きるよ

ほんとうのあなたに会える日のため


発言者 岸渡みちえ(み〜ちぇ)
STAND☆BYみ〜ちぇ!(単行本表紙裏収録・岸渡みちえ秘密日記より) 著・永野のりこ

「み〜ちぇね・・・み〜ちぇ怪獣を出せて、怪獣になれてよかったよ。怪獣だから戦えるんだもん。シゲルくんを、みんなを守るために・・・怪獣だから来られたんだもん。ここで、怪獣だけが知っているこの暗闇で一人で、泣いてたドミヨちゃんのところに・・・

発言者 岸渡みちえ(み〜ちぇ)
STAND☆BYみ〜ちぇ! 著・永野のりこ

「真っ暗・・・ここは・・・前にみ〜ちぇが居たところ?お家の地下のもっと奥の「怪獣が眠る場所」・・・。ここ・・・みーちぇ知ってる。「お墓」だね。「怪獣のお墓」なんだね。この世界にいるだけで、この世界を壊してしまう怪獣が、どこにもいられない怪獣が、静かに眠る「怪獣のお墓」同じだね、み〜ちぇ帰ってきたんだね、また。み〜ちぇが昔・・・隠れてた所に・・・」
「ちがうよ。ちがうよみ〜ちぇ。ちがうんだよ。み〜ちぇは「怪獣のお墓」にいるんじゃないよ。世界から自分を切り離して、暗闇の中に隠れようとしていたあのときとはもう、ちがうんだ。わかるよね、暗闇にいてもわかるよね。」
「・・・・あ・・・・うん・・・・わかる・・・・わかるよ。思い出せるよ・・・・あるよみ〜ちぇの中に。「怪獣だから出来たこと」。あふれてくる。心の底から溢れてくるよ、光みたいに。よかった。み〜ちぇ、いてよかった。あの日暗闇の中から、生きたくて、怪獣だけど生きたくて、そっと世界に出ていったあのときの、光の中に、シゲルくんがいたんだね・・・・」


発言者 岸渡みちえ(み〜ちぇ) み〜ちぇの怪獣
STAND☆BYみ〜ちぇ! 著・永野のりこ

・・・(涙)
STAND☆BYみ〜ちぇ!の感想を、そしてSTAND☆BYみ〜ちぇ!そのものを読むべし。それで分かるはず。

「国が滅びたのに王だけ生きてるなんてこっけいだわ」
「今はラピュタがなぜ滅びたのかわたしよく分かる、ゴンドアの谷の歌にあるもの
・・・土に根を下ろし、風とともに生きよう・・・種とともに冬を超え、鳥とともに春をうたおう。
どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんのかわいそうなロボットをあやつっても、土からはなれては生きられないのよ』


発言者 シータ
天空の城ラピュタ 宮崎駿

「ラピュタ」のテーマを、一言で言い切った至言。
こういう台詞使いの巧さ、流石スタジオジブリ、流石宮崎駿。

「人殺しが楽しいのね」
「ええ」
「あなたは、楽しくないの?」
「楽しかったら、よかったのかもね」


発言者 弓真鏡歌 鷹月敏江
闇色の戦天使 神野オキナ

一種の合わせ鏡のような二人。その最大の違い、そしていっそ狂ってしまえれば楽だったであろう戦いをあくまで正気で、苦しみと痛みを抱えたまま戦い抜いた事実を、強く浮き立たせる台詞。


ごめんだね。はいつくばって生きるのは、もう嫌だ

発言者 神荻周防
闇色の戦天使 神野オキナ

「この家、全部燃やしてくれますか。誰かに土足で踏み込まれるのはもう嫌だから」

発言者 神荻周防
闇色の戦天使 神野オキナ

二つ共に、決意である。静かだが、しかし強い決意。
この台詞は正直その前の文章を読まないと味を理解できないのだが・・・
それでも充分に、二度と帰らないという少年の決意は理解できると思う。

「すまない、蝶野攻爵」
(ああ、俺の名前・・・・・・)「謝るなよ、偽善者。」

発言者 武籐カズキ 蝶野攻爵
武装錬金 和月伸彦

半分くらい悪台詞に掲載したほうがいいかもしれないけれど、この場合あえてこちらに掲載。

蝶野攻爵。名家の跡取りでありながら大病を患ったことによりその立場を追われ、錬金術で不死の怪物へと変化しようとした男。

主人公のカズキはヒロインの斗貴子に解毒剤を届けるため彼を追い詰めるのだが、そこでもう人食いの怪物と化した蝶野を殺さなければ斗貴子は助からないことを知り。

一人を助けるために、一人を殺す。

それゆえに、カズキは名指しで謝った。

そして攻爵は、顔のそっくりな弟に立場を追われ、誰にも「蝶野攻爵」という一人の人間として認めてもらうことが出来ず、怪物となって、最後の最後に。

自分の名前で呼ばれ。

悪役として、死した。

そういう台詞である。

仮面ライダーSPRITSの名台詞

多いので、別枠扱い


「お前はこの戦いに何を背負っているっていうんだ!」
「借金!」

発言者 秋山蓮 城戸信二
仮面ライダー龍騎

ギャグに分類すべきか名台詞認定すべきか迷ったが、ぎりぎりこっちということで。
唐突に十二人で殺しあう「仮面ライダー」になっちゃった城戸信二。そうこうしている間にもモンスターは人を襲うのでそれを停めようと彼は戦うのだけれど、「仮面ライダーナイト」秋山蓮が、戦ってかなえる望みもないのに何故戦うと詰め寄る。
それに対する回答がこれ。この戦いの前に、秋山に500円借りたのだ。
まあそれはあくまで冗談で、実際はまだ殆んど何も分かっていないのにここで退くことは出来ない、といったニュアンスを感じる。
実に面白い。(この文章での「」は、本物の仮面ライダーとはいえないという意味で。)

「善でも!悪でも!命を賭けて貫くことが出来たブラボーなモノに、偽りなどは何一つ無い!」
発言者 戦士長
武装錬金 和月伸彦

自分のした行為は偽善ではなかったかと悩む主人公に対してのアドバイスだが、実に力強い台詞である。ブラボーというのは彼の口癖なのでそれはおいといて。
善というベクトルでも、悪というベクトルでも、その行動の元となるのは心の力。それを最後まで、それも命を賭ける危険を越えて成し遂げられたというのならば、それは一つの強さの偽り無き結晶である。

「イクサー2、あたしはお前だけは許せない!憎しみと恨みしか生まず、この世に破壊しかもたらさない、そんなお前は正しい生き物じゃない!!」
「望んでそう生まれたと思うのか!」
「同情はしない!あたしはあたしの信じる命のために戦うんだ!!」

発言者 イクサー3 イクサー2
冒険!イクサー3(サウンドノベル版)

戦うためだけに、それも特定の目標を倒すという「破壊」だけを目的に作られた人造人間イクサー2。生命の本質は生きて愛してその命をつないでいくことというならば、それと正反対のイクサー2の有様はまさに生命のありようとしては歪んでいる。
そしてそれを本人も自覚しているらしく、その答えは余りにも苦しい。
さらに興味深いのは、この弾劾を同じ人造人間であるイクサー3が言っているということだ。
人造人間にも、「正しい生き物」としての生き方はあると。
これと呼応する台詞が、OVAのほうにもある。最終最後、敵であるネオスゴールドを倒したあとのイクサー3の台詞だが。
「やったよ、お姉様。でも、あいつもちょっとだけ可哀相だったかな、争うことしか知らなくて・・・」
そして奇しくもこのOVAではイクサー2は戦いの最中でその本来の任務である「破壊」を止めて「守り慈しむ」側へと回っている。


「死にたくないからに決まってるだろ!?」
「渚は違ってたんです・・・」

発言者 シロン 河合可愛
戦ーガールイクセリオン(サウンドノベル版)

ちょっとわけあって唐突な千切れ方をしているが、前後の状況としては、「何故戦うのか」という問いへの一つの回答。
戦士であるシロンはそう答えたが、可愛は友人にしてヒロイン=イクセリオンである渚の例を挙げるのだ。
長くなるので省略だが、自分が生き延びるためではなく他者を守るために自分の命を危険に曝すという。
それは正に戦闘の本質に本物の兵士よりも純粋に迫る、ヒーローヒロインの業というものか。

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