仮面ライダーSPRITS名台詞

仮面ライダーSPRITSについては、こっちを。


「敵は多いな、滝・・・。いや・・・大したことはないか・・・今夜はお前と俺でダブルライダーだからな。」
発言者 仮面ライダー一号=本郷猛
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

この直前の「すまんな、滝・・・遅くなった。」から来る「ライダー・・・変身!!」も凄い。史上最も「美しい」変身シーンであると言い切れる。


「ほほぉ・・・いい性能だ!貴様の作戦目的とIDは!?」
「正義 仮面ライダー2号」

発言者 クモロイド=グィン将軍 仮面ライダー二号=一文字隼人
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

作戦目的は正義、IDは仮面ライダー二号。そう答えるこのシーンの一文字は余りにも雄雄しく、格好いい。その背中に悲しみを隠しながらも、なお守る意志を有するがゆえに。



「・・・なあ 聞いてくれるか・・・お・れ・は・み・か・た・だ」
発言者 仮面ライダー二号=一文字隼人
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

そしてその、「悲しさゆえの優しさ」が発揮されたのがこの言葉。彼が何より人目に曝されることを嫌った異形の証を顔に浮かび上がらせながらも、笑顔を浮かべて子供に語りかける一文字。それは美しく、手術跡ですらそれを醜くすることは出来ない人間性の輝きをうかがわせる。

「なあ、信じてみないか。たとえ神も仏も居なくても、仮面ライダーは居る、ってな・・・」
発言者 滝一也
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

守るために戦う仮面ライダー二号の勇姿に食い入るように見入る少年達と、間一髪助けられた女医のマユミに、滝が言った言葉。

この「たった一人の戦場」の話は藤岡弘氏がインタビューなどで語った海外ボランティア活動での様子とダブる。


「ゴメンな・・・雪子・・・俺はまだいけないよ・・・」
発言者 仮面ライダーV3=風見史郎
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

風見史郎は基本的に普段はクールな風情の男なのだが、その内心には未だ優しい部分を多大に残している。そうであるからこそ家族の命を奪った悪との戦いを行いえたのであり、その本音の部分を珍しくあらわにしたのが、この辺の台詞。

「確かに王妃はプログラムだったのかもしれん・・・だがキサマは・・・キサマらは三千年間・・・かけて王妃(プログラム)に悲しみを与え涙を流させた。死者を・・・そして残された者の思いを利用した。そんなキサマらの愛などいらん!たとえ一人で戦うことになっても。」
発言者 仮面ライダーV3=風見史郎
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

対照的にこっちはいかにも風見流の言い回しで。悪に対しては毅然と対する、それによってこそヒーローたるのだろう。


「へ・・・会えるかよ、こんな体で・・・あんたもそうだろ、カザ、ミ・・・」
「・・・かも、な。だが・・・今はこの体が俺のプライドだ。」

発言者 ベガ=タカロイド 仮面ライダーV3=風見史郎
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

そしてその、風見の「熱く乾いた」雰囲気・・・そう、丁度この物語「熱砂のプライド」の部隊である砂漠のような気配は、この台詞に起因しているのかもしれない。もしくは台詞がその精神に起因するのか。あるいは両者が呼応するのか。とにかくこのシーンは一枚の絵としてみてもすばらしいと思う。

「また・・・償うために生き返ったんだな」
発言者 ライダーマン=結城丈二
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

ライダーマン。正義と悪の狭間で揺れた、不可思議な魅力を持つ存在。そんなライダーマンを書ききった「右腕の記憶」は、かなりの秀作。そしてこのライダーマンの台詞も。

「そう・・・一つ言い忘れてた、わ・・・あんたがデストロンを裏切って償いをはじめたときの、もう一つの・・・名前・・・」
「もういいしゃべるな。傷に触る。」
「!・・・ホ・・・ホホォォォ思イ出シタカ、ツイニオモイダシタカ結城丈二ィィ!」
「いや、違うな。俺は、ライダーマンだ。

発言者 アンリエッタ=バーキン 再生ヨロイ元帥 ライダーマン=結城丈二
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

このシーン・・・ライダーマンとは思えないほど、いやライダーマンであるがゆえに凄まじく格好いいです。

「もう・・・沢山だ・・・!!涼子・・・霧子・・・オヤジ・・・大 変 身!!」
発言者 仮面ライダーX=神敬介
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

それまでクールというか他人と関わらないようにしていたXの本当の心が明らかになるシーン。それまで「どうして?」とXの不自然な態度をかんぐっていただけにこのシーンは「おお!」と思いました。(正確な説明はこの前だけど、長くなるので)

「どうしたビクトル顔色ワルイ。外出る!子供太陽の下でたくさん遊ぶ!オレ、アマゾン。お前ガイドしにきた!」

「ビクトル泣いてた・・・つらい・・・かなしい・・・でも、泣くな。オレが居る!オレが行く!」

発言者 仮面ライダーアマゾン=山本大介
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一


アマゾンってよいである。我が盟友桂殿の言うには「がうっておい、可愛いじゃないか。なでてみたいぞ」。
分からんでもない。純真無垢といおうか・・・稀有な存在である。それを特に反映するのが、この台詞二つであろう。

「世界一の頭脳があったって・・・世界を自由にできたって・・・一人ぼっちの世界じゃないか!アマゾンは・・・アマゾンは・・・ボクだけのために来てくれたんだぞ!!」

「悪いけど・・・僕はもう少し、遊んでいくよ!」

発言者 ビクトル=ハーリン
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

そして、どんどん「子供らしさ」「子供としての幸せ」を取り戻していくビクトル。特に最後の「悪いけど・・・僕はもう少し、遊んでいくよ!」これが印象に残る。


「そいつは十分すぎるほど闘った、『仮面ライダー』を名乗る事もねえ。岬ユリ子はもう ただの女だ」
発言者 仮面ライダーストロンガー=城茂
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

渋い。普段はわがままというか奔放というかな茂なんだけど、電波人間タックルこと岬ユリ子について語るときは凄く格好いいのだ。
それだけ愛深いが故、か。


「どや・・・まいったか・・・まいったら撤回するんや。洋はんもフレイヤはんも、人間や・・・ってなぁ。」
発言者 がんがんじい=矢田寛二
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

普段はあれだけど、という点ではこのがんがんじいもそうだ。ほんとにずっこけヒーローなんだけれども、どんな敵にだって立ち向かい、そして理不尽の前に立ちはだかる。


「それでも俺は人間を信じる・・・人間のために闘う。俺は・・・それだけでもいい」
発言者 スカイライダー=筑波洋
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

ドクガロイドに「人間は弱いから恐れ殺しあう、それが人間さ」と言われての台詞。
少し、寂しい台詞である。少し、悲しい台詞である。
だが、強い台詞でもある。


「平気よ・・・一也さんは絶対生きて帰ってくるんだから。私・・・信じてるもん!」
発言者 ハルミ
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

・・・ハルミちゃん、いい女だよなぁ・・・周囲の皆が取り乱しているなかで一人だけ必死に踏ん張って、この台詞。
よい。けなげというのはじつによい。

「大丈夫だぞ、絶対に大丈夫だ。あんたらにはスーパー1が!!仮面ライダーがついているんだからな!!」
発言者 谷源次郎
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

仮面ライダーというのは、確かにそういうものだ。長年共に戦い抜いた谷源次郎であればこそいえる言葉であろうが、我等「仮面ライダーを見てきたもの」にも相通じる台詞のように思える。


「よぉしマシム!帰ったらバッチリ話してやる!いたぜ兎がな!!話の通り馬鹿がつくくらいお人よしの兎だ!だがな、そいつはスゲェタフなやつだ・・・炎の中に飛び込んだって絶対に死にはしねえ!話してやるぜマシム!生きて・・・帰ってなぁ!!」
発言者 セルゲイ=コリバノフ
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

これ、物凄く好きな台詞なんです。「炎の中に飛び込んでも死なない馬鹿がつくくらいお人よしの兎」。なんかもう、本当にスーパー1の姿勢を凄く的確に表現している。


「だが俺は拳法家である前にサイボーグS-1として生まれた。人の夢の為に生まれた。この拳・・・この命はその為のものだ」
発言者 仮面ライダースーパー1=沖一也
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

そして、彼自身が語るこの言葉も。「人の夢のため」。彼が強く戦う理由がこれだとするならば、なるほど敵が勝てないわけだ。
これほど美しき鎧は、他にないだろう。


「なあ兄さんワシは、こう思うんや。例えば自分という人間がどうしようもなく荒んでヨゴレてしもうとったとする・・・やけどな・・・たった一つでもいい・・・自分にとって守りたいものが一個でもあれば、その命には生きていく価値がある。その人生はぴかぴかになれるんや・・・てな。」
発言者 金富秀吉
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

そして第二部に入って、この台詞は最初の鍵、重要な要素。しかしこれといって解説は不要であると思う。
読めば、分かるだろう。


そして・・・
仮面ライダーSPRITS悪台詞
悪あるところ正義あり。正義あるところ悪あり!ゆえに正義輝く仮面ライダーSPRITSは、悪役もまた魅力的。


「主は、嘆き、悲しんでいます。愛さなければよかった・・・と。そうして流した黒い涙の中から、私たちは来ました。悔い改めよ。そして死に絶えなさい。愛されなかった人々・・・」

「仮面ライダー、嫌な名前です。私の愛しい彼らを壊した者の名前もそうでした・・・誰もが忌み嫌った私の力を、彼らだけが認めてくださったのにィィィ!」

「カメンライダー、ダッテ・・・?ドコガ?ククク・・・アンナ小サキ者モ救エズニ・・・」

発言者 ペドレスク神父
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

陰湿なイメージのあるペドレスク神父の言動は、やはりこう静かに語る感じ。しかしそこから感じられる、紛れも無くどろどろとした悪意。まさに「怪人」の表現が相応しい。


「ふぅむ・・・わからん。何故兵士達の意識は苦痛を感じ命令を拒むのだ?まぁだココのいじり方がたらんということかな。いや、いっそはなっからすべてこそぎだして一から作ってやるべきだったか・・・ただの蛋白質の塊などではなく、な。」

「ふん、何だそのむき出しの感情は・・・このミスクリエーションめ。」

「地雷というものを知っているだろう。その威力は完全には人を殺さず、その介護のためにさらに戦力を割かせる。しかもたやすく作れるうえにその撤去には莫大な犠牲を費やす。スバラシイ発明と思わないか!?今や世界中の戦場の大地で息を潜めているのだ!そして我等はこの兵士ども同様、今夜極上の兵器を作り出すのだ。クク・・子供とは可愛いものだな。弱く、愛らしく、助けを請う・・・どんな訓練された軍人でも油断するほどにな。そして受け入れた瞬間・・・クク、クククククク!生きた子供の誘導爆雷!これは地雷に継ぐ革命となるぞ!子供など何処ででもいくらでも増え続けるのだからなぁ!」

「誰も助けには来ない。誰もな・・・大人しく弱者は強者の贄となれ」

発言者 グィン将軍
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

徹底的に冷徹な弱肉強食の立場を取るグィン将軍の言葉。感情や人間らしさなど否定するその言葉は、正に冷血の極みである。それはあくまで自分が強者であるという考えから来ていたのだろう。

「フン、インターポールなんて所に長居してるとな、知っちまうんだよ。キサマらに悪とか呼ばれて壊滅して言った数々の組織のデータをな。・・・で、正義を気取っていたキサマらの今は何だ。FBIの閑職にオンボロバイク屋の主人か・・・くだらねぇ。悪いがな悪の根は人の根よ!組織は滅んでなんかいねぇ!」

「何が正義の戦士だよこの夢想家め。それが勝利者の姿かよ・・・腐れきったこの世に善も悪もねぇ!強い者が生き残る!!勝ち残った者こそ正義よ!」

「立花藤兵衛、滝一也、城茂・・・キサマらが勝利者だと?俺は認めねぇ・・・俺は違う、俺は貴様らとは。」

発言者 三影英介
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

対して同じように強者の論理でありながら、「正義」というものに反旗を翻すのがこの三影。それは一種の「反理想という名の理想」であり、おそらく三影自身は気づいていないと思うが、ある意味では「正義」というものへの憧れの、失望という形の反転ともとることが出来よう。



「殺すな・・・?フン、それじゃあこのスサマジイ力は何のためにあるのさ。さっきの空軍の編隊を見ただろう。アレだって人間が殺しあうための道具じゃないのかい?」
「フン、モロい・・・何を拘っているか知らないがそれが人間さ・・・人間は弱いから裏切り、奪いあう・・・人間は弱いから恐れ、殺しあう・・・それが人間さ、それが・・・」


発言者 フレイ=ボーヒネン・プワゾン・ドクガロイド
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

糾弾者、正義に反旗翻す者という要素はこのプワゾンにも強い。力強さの感じられる三影とは異なり、その性格はむしろ皮肉っぽい感じでは在るが、しかしそれがプワゾンというキャラクターの悲劇性とあいまって静々と心に染み入ってくる感じがある。


「モロイ・・・まるでウサギ小屋だな。こんな未熟な技術で何か成せると思っていたのか?」
発言者 アスラ=アメンバロイド
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

ヒトのモロさを軽蔑する。バダン怪人には全般的にそういった意志が透けて見えるが、このアスラはさらにその要素が強く見受けられる。拳法家として老いで拳が衰えるのを嘆きBADANの怪人となった経緯にも、それが伺える。

「ザー、ザ・・・ヒトよ・・・見えて・・・いる・・・か。ヒトよ・・・聞こえて・・・いる・・・か。神は・・・嘆き・・・悲しんでいる。愛さなければよかった・・・とな。そうして流した黒い涙の中から、俺たちは来た・・・。俺たちは「BADAN」神に愛されし者。ヒトよ、既に手遅れだ。キサマらに未来はない。」
発言者 ZX
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

BADANは遂に全世界に向けての宣戦布告を行う。この言葉はBADANの理念そのものであるらしく、第一話でもペドレスク神父が、第二話でもグィン将軍が同種の発言をしている。しかしこの宣戦布告のシーンはさらに背景・キャラクターともに捻ってあって、絵的要素が台詞の力をさらに盛り上げている。



「お前は記憶の大半を消去されてるようだから俺が教えてやろう。アレが人間ってやつだ・・・口では平和だ理想だと唱えながら常に武装し理解を超える存在には攻撃を繰り返し、それが済めばまた統治の皮を被りやがる・・・殺せZX!あの半端な偽善者どもを殲滅しろ!!」
発言者 三影英介=タイガーロイド
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

タイガーロイドになった三影が、記憶を持たぬ「神の器」ZXに語りかけた言葉。彼の感覚を如実にあらわす、しかし一面の真実を確かについた言葉。


「この醜い棘の塊、それが私です。私に近づく者はすべて刺し貫かれます。貫かぬのはバダンのみ、愛するのはバダンだけ・・・それなのに、何故バダンは貴方などを!」
発言者 ニードル=ヤマアラシロイド
仮面ライダーSPRITS 著・村枝賢一

ZXと対峙し、その体「神の器」を奪って自らBADANの神となろうとするニードルの言葉。独特のゆがみを持った彼の妄執が、ヤマアラシという改造人間のモティーフによって浮き立たせられているのが分かる。

戻る