【断片4】

「ぬううううっ……!」

 ガイアソルジャー・バロンの弾幕戦法に苦戦する……デスファード。ガイファードとの戦いの後、死んだと思われたものの生き延び、気を取り戻し、剛と闘った償いの為に独自にクラウンを追っていた彼であったが。

「王気……ぬううっ!?」

「『デスショット』!『デスショット』!『デスショット』!」

「『デスショット』!『デスショット』!『デスショット』!」

「『デスショット』!『デスショット』!『デスショット』!」

 気を練る暇も与えぬ猛然たるガイアソルジャー・バロン!これでは拳王流を活かす事も出来ぬ!

「カッハハハハ!プロジェクト・ファラーゴーストは、私とムラマサ、どちらかがいれば可能!私としてはここで貴方を食い止められれば問題ないのです!」

 カラカラと髑髏が嘲笑う。

「私が召喚したミューティアンゴーストを退けたのは流石ですが、所詮はメタルファード!ガイアソルジャーである私の敵ではありませんねえ!」

 再生怪人軍団を退けたデスファードであったが、ガイアソルジャーは強敵!ここまでか、デスファード!?

「……そいつぁ、許せんねえ。」

 そこに、声が響いた。その直後!

「ぬがぁっ!?」

 質量炸裂!

 突如投擲された、基地改築用の鉄パイプ、コンクリート塊等が、高速ジンガ分身を行っていたバロンの、反復横跳びめいた動きの横側から直撃!もんどりうって転倒するバロン!

 正面から見ればとらえどころのない動きでも、横から見ればほぼ一直線上!そして!

「お、お前は……」

「気を練る暇がないんなら、気を練らずに使える飛び道具を使やいいのさ。メタルファードの腕力でも、砕いたコンクリだろうが鉄骨だろうが、砲弾並みの速度で投げ飛ばせる。……これだから慈明の弟子は。技も気も勿論大事だが、殺し合いで一番大事なのは必死さと臨機応変だよ?」

 デスファード=将人は割り込んだその女に驚愕する。破門された拳王流宗家の女、凪。その名に反して、嵐の如き女。

その攻撃は、余りにも拳法の範疇から離れていて。しかし同時に、将人が攻略できずにいたバロンに対し明確な痛打を見舞っていて。

「貴様!裏切るつもりか!」

「まさか。」

 しかし怒号するバロンに対し、裏切るつもりはないと宣言した凪=キルファードは、デスファードに対して対峙した。

「こいつぁあたしの獲物だ。ガイファードは先約が入ってるが、こいつはあたしがやる。あんたは計画の要だ、こんなところで踊ってる暇はないだろ?そいつを思い出させる為に活を入れただけさ。しゃんとしたのなら、とっとと退け。さもなきゃアタシがコロス」

「ぬ、く……覚えておれよ……!」

 その傍若無人にして傲岸不遜、そして、武術ならざる手も反逆も、ためらわず振り回す凶暴に、怯むようにバロンは後退した。

 そして。

「さあ、遊ぼうか、将人。ちっとばっかし、手荒く揉んでやろうじゃないの。」

「ええい……!!」

 何を考えている。思案しながらも、しかし迷いで技を鈍らせぬよう、将人=デスファードは構える。

(さぁて……)

 同じく、思案で技を鈍らせぬよう構えながら、凪=キルファードは全体のタイミングを計り続ける。

「はぁっ!せいっ!」

 翻り連打する脚、鋭く突き落とされる拳。

「ぐおおっ!?」「おのれぇっ!」

 スティンガーとレオ、二体のメタルファードを圧倒しながら、別口からデスファードが進入している事に気づかず邁進する剛=ガイファード。

 その進行と……即席弟子モニカ=スパイラスUとムラマサの戦。そして、ファラーゴースト計画。それら全ての進行とそれぞれの速度差について図りながら……

「いくよ!」

 修羅の笑みを浮かべ、凪=キルファードは将人=デスファードと対峙する!

 メタルファードとしてのスタイルは、バランス型のデスファードと、攻撃力・機動性特化のキルファードとではまるで違う。

 しかし、その構えは、鏡写しの様にぴたりと同じ。

 故にデスファードは認識せざるを得ない。

 暴に狂った堕落者でもない。奇襲に頼る外連者でもない。凪、この女の武は、武そのものはあくまでも正調の拳王流。そこから外れて見える全ては、即ち実践で得た力、真摯に研ぎ増しました鍛錬の真剣たる牙なのだと……!

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