新世紀エヴァンゲリオン

 

我が輩がこの作品と初めてであったのは、模型店であった。ふと目に留まった、ガンダムなど他のロボットと一線を画する奇妙にスリムで風変わりな
デザインの、見たこともないロボット。それが、エヴァ零号機。それをきっかけに興味を持ち、視聴を開始した。

そして、かなり気に入ってみたのだが・・・その感情が変質するのに、さして時間はかからなかった。

 

GAINAXの代表作にして、最大の問題作。

膨大な設定・伏線、心理描写も細かいキャラクター、斬新なメカニック・モンスターデザイン。

それらを縦横無尽に配置して動かし・・・ておきながら、ついに決着をつけることはなかった。

いや決着はつけた、ああいう心理劇も一つの結末だという意見も有ろう。

 

だが!

そも、その心理劇と称するものそのものが!途方もなく愚かな自己憐憫に過ぎない!と我が輩は感じる。

まっとうな「大人の人間」、正論を捨てて世間に迎合しただけの大人ではなく、さりとて単純に思想的な存在ではない、血と肉を持った「人間の大人」
・・・かつては普通にかつ普遍的に存在したものがあれば、どうともなく片づくものを、現在のモラル低下的状況をさらに無意味に拡大した「湾曲さ
れ、故意にゆがめられた世界」のなかで、知れきった悲劇を起こし、放り投げるように決着をあたえているだけ。

早い話が庵野監督自身がまっとうな大人になりきれなかった奇形で、てめえの腐れた内情を公共の電波に乗せて泣きわめいているだけなのだろう。
甘ったれるな。多くの人間に、いやさ我が輩にだって、その手の悩みは存在する。だが皆それぞれ、己でもってそれを律し、律しきれないまでも
押しとどめることにより、己自身を保って生きているのだ。それらは全て、生きる上当然の悩みなのだ。
なぜ!なんの解決も示さない!問題提起?否!提起にすらなってはいない。

不愉快だ。不愉快きわまりない。この作品に共感を示した、同じ自己解決できない者共と共に腐っていくがいい。

 

 

 

 

だがまあ、結局。庵野は続けることを、他の作品を作ることを選択したようだが・・・それならいいと、わが輩は思う。

ともかく、この作品は良くも悪くも後の世に多大な影響を与えた。

良い影響としては、さらなるハイクオリティーの存在を天下に知らしめ、今後アニメが進むべきクオリティを示したことと、「これを乗り越え、しかるべき
結末を与えるという目的から様々な作品を生みだしたこと(二次創作、漫画版を含め。なお、現在までに置いてわが輩が一番感心したエヴァの
二次創作はGenesisQ'というサイトの「新世紀戦隊エヴァリオン」である。エヴァの隠滅性と戦隊の軽さが相互に中和し、両者の合体であるドラ
マが最高の純度をもって迫る大名作!)

悪い影響としては、「エヴァがあんなラストだったんだから前例もあるし別にいいや」と、「作り逃げ容認」「最終回投げ」の恥ずべき風潮
が生まれたこと。

・・・どちらか分からない影響としては、綾波レイタイプのキャラがはやったこと、か?

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こういう結論に至った根拠を知る。