第四章 技術屋のやりがい
その翌日のごく早朝、兵器開発部に早くもカーネルは姿をあらわしていた。一体何時間眠っているのだろうか。
とにかくカーネルを出迎える白アリコマンド達。
「ヒャイーッ!こんな早朝によくおいで下さいました。」
敬礼する白アリコマンドを手で制止するカーネル。
「いや、堅苦しい挨拶はいい。我々は同じネオショッカーの同志、階級にこだわるより任務成功にこだわるべきだ。一刻も無駄は許されない、早速本題にはいる。」
「ヒャイーッ!?」
白アリコマンド達は驚いた。いままでこんなことを言ってきた幹部はいないからだ。
「この仕様書に書いてあるとおりの物を作ってもらう。」
仕様書を受け取った白アリコマンドはそれを素早く読んだ。二、三の物に分かれているが、どれもこれも非常に要求水準が高い。
「は、この新型爆薬や強力粘着液でしたら簡単に作れますが、人体改造用の特殊金属となると少し時間が・・・」
「やるといったらやるのだ。出来る限り早く。解ったな。」
そうきつく命令すると、と、カーネルは足早に去っていく。と、ちらと振り向き、追加するようにいった。
「私は、お前達の力なら出来ると確信しているのだ。頑張ってくれ。」
そういうと、さっさと出ていってしまった。一瞬遅れて白アリコマンド達が少しの動転と少しの感動を込めて
「ヒャイーーッ!!」
と答えるのも聞かずに。
第五章 戦闘員の努力
戦闘訓練室。
そこで、強化アリコマンド達が訓練を行っていた。
組み手をしている者。
ボウガンの射撃訓練をしている者。
全員、物凄く真剣に訓練を行っている。
仮面ライダーの等身大人形に向けて対改造人間用ボウガンを発射する強化アリコマンド達。
どすどすと矢が人形に突き刺さる。
続いて高速で移動する的に向けて射撃するアリコマンド達。多少ははずれるものの、それでもかなりの数が的に当たる。
「駄目だ!全弾的中するようにしろ!」
カブトジンが叫ぶ。
「ヒャイーッ!」
「俺が手本を見せてやる。」
そう言うとカブトジンはアリコマンドの一人をどかせて射撃ブースに入った。
的が移動してくる。本物のスカイライダーのデータに会わせているので、かなり早い。
「むんっ!」
そう叫ぶと同時にカブトジンの角の先端が左右に開き、砲弾が発射される。
轟然、炸裂!スカイライダーのマネキンは木っ端みじんに吹っ飛んだ。これぞカブトジンの必殺兵器「カブトバズーカ」である!その威力は戦車砲などの現用兵器の比ではない。
一見格闘専用に見えるカブトジンだが、実はその巨体をいかして普通のサイズの怪人では発射の反動に耐えられないこの武器を使うための怪人なのである。
「どうだ、見たか!」
ぱんぱんぱんぱん。
ガッツポーズをするカブトジンに、拍手が聞こえた。
「相変わらずいい腕だな、カブトジン」
カーネルだった。研究室からすぐここに来たらしい。
「はっ、カーネル様!」
「ヒャイーーッ!」
アリコマンド達も緊張する。
周囲をぐるっと見回したカーネルはいった。
「いいかお前達、今度の相手仮面ライダーは今まで戦ってきた連中とは格が違う!既
に幾多の同志達が倒されている!勿論勝つつもりだが、それにはお前達の努力が必要
不可欠だ!訓練で努力すればするほど被害は少なくなる、血を流すより汗を流せ!いいな!」
「ヒャイーーーーーッ!」
ネオショッカー式の敬礼で感動と同意を示すアリコマンド達。
そして、前にもまして熱心に訓練をする。
それを見たカーネルは満足げに頷くも、アリコマンド達に注意するのを忘れない。
「こらっ!そんなキックで仮面ライダーにダメージを与えられると思うのか。もっと腰を使え!」
「いいか、仮面ライダーには常に集団、最低でも同時に二人で書かれ!複数の方向から攻撃し、隙を作るんだ!」
「そんな身のこなしじゃいい的だぞ!死にたいのか!?」
びしばしと指導がとぶ。
第六章 秘密結社の生活
訓練終わって、日が暮れて。
といっても、ネオショッカーの訓練は、厳しい。本当に訓練が終わったのは、日が暮
れてから実際はずいぶんたってからだった。
訓練を終えた戦闘員達は、皆どやどやと食堂へ。
質素ながらも、楽しい食事の時間である。
(口の露出していないあのマスクで、一体どうやって食べるのか?それはネオショッカー構成員だけの秘密です。)
「今日もお互い一日よく頑張ったなあ」
がやがやがやがや。
「ああ。訓練はつらいもんなあ。俺体いたくなっちゃったよ」
がやがやがやがや。
「でもなあお前、カーネル様も「血を流すより汗を流せ」っていってるじゃないか。
戦いに勝ち、生き残りたかったら・・・」
がやがやがやがや。
「解ってるよ。ただいってみただけだ。」
がやがやがやがや。
「それにしてもカーネル様、最近激務が続いているよな。朝早くから研究、訓練、作戦立案、シュミレーション、寝る暇も惜しんで働かれておられる。」
実際今も食堂に姿を見せていない。
「お体に触らなければいいけど」
「何しろお義父上の仇だからな、仮面ライダーは。」
「ゼネラルモンスター様か・・・惜しい人を亡くされたよなあ」
「それだけじゃない。ガメレオジン様、クモンジン様、コウモルジン様・・・一体どれほのど同志が仮面ライダーにやられたことか。」
「俺の友達、コウモルジン様の所にいたんだけど、ライダーの野郎に殴り殺されたんだ。」
仮面ライダーは、知っているのだろうか?喫茶店「ブランカ」の面々は、知っているのだろうか?志度博士は知っているのだろうか?彼らが悪魔と呼ぶネオショッカーにも、こんな時間があることを・・・
恐らく知るまい。
「強いよな、仮面ライダーって・・・俺達、勝てるかな?」
「勝てる!必ず勝つのだ!ネオショッカーのために、大首領様のために、カーネル様のために、な。」
それまで終始無言で、何やら考え事をしながら好物のスイカをしゃぶっていたカブトジンが大声でいった。何しろカブトムシの改造人間なので、果物や気の樹液に眼がないのだ。自室も雑木林のような内装になっている。
「ヒャイーーーッ、頑張ります!」
カブトジンの発言に、とっさに敬礼するアリコマンド達。中にはその拍子に食事をひっくり返して大騒ぎしている者もいたが。
「ヒャイー、俺の飯が〜〜・・・まだ半分も残ってたのに〜。」
それを見て思わず頬をゆるめるカブトジン。もっとも全身を装甲が覆っているので表情は余り変化したように見えないが。
「こら、あまりそうしょっちゅう敬礼せんでよろしい。」
秘密結社の日々は、こうしてすぎていく。
第七章 作戦計画書
仮面ライダー抹殺作戦計画書
作戦立案・実行担当幹部 中東支部長カーネル・クリーチャー
作戦目的 日本における計画遂行の最大の障害「仮面ライダー」の抹殺。
作戦に使用される部隊
改造人間カブトジン
スペック 改造 人間 中東のさる王国の軍人だった。が、革命により国を失いネオ ショッカーに参加。
モチーフ カブトムシ(選択理由 堅い外骨格により防御力に
優れ、かつそれにより中東支部開発の改造人間用火砲の搭載が可能)
特徴・武器 頭部から生えた長い角 これが大砲となっておりその威力は最新型戦車 すら完璧に破壊し、かつ命中精度も高い。この砲を装備するために重装甲及び地面に 打ち込んで反動を防ぐサブアームを脇腹部に装備。なお、これは格闘戦においても使 用可能。
弱点 多少スピードに欠ける。
強化アリコマンド (中東支部が独自に開発した改造人間で、通常のアリコマンドの 数倍の能力を持つ。)
格闘戦部隊十人 射撃部隊(改造人間処刑用ボウガンに日本
支部兵器開発部が開発した新型火薬弾頭及び粘着弾頭を装備)十人
幹部カーネルクリーチャー
作戦要項
1・トラックに格闘戦部隊及びカーネルクリーチャーが搭乗、カーネルクリーチャー は所持したボウガン(火薬弾頭)にてコーヒーハウスブランカを砲撃、破壊ののちお びき出されるであろう仮面ライダーをトラックでもって作戦遂行位置、臨海コンビ ナートへおびき寄せる。
2・作戦遂行位置を射程範囲に収める位置にカブトジン及び射撃部隊が待機。おびき 寄せられてきた仮面ライダーに向かって粘着弾頭にて攻撃、スカイターボを稼働不能 にする。同時に格闘戦部隊及びカーネルクリーチャーは仮面ライダーを攻撃。
3・隙をついて素早く格闘戦部隊は海へ離脱(すぐボートを回す)同時に仮面ライ ダーがこれに対応し何らかの行動を起こす(具体的にはセーリングジャンプで飛び上 がる前に)前に火薬弾頭にて砲撃を加え(出来れば腰の飛行装置を破壊)、コンビ ナートごと吹き飛ばす。
4・いかに仮面ライダーといえどコンビナートごと吹っ飛んでは確実に死ぬはずであ る。
以上、大首領閣下につつしんで提出いたします。
本作戦担当幹部 カーネル・クリーチャー