「復讐鬼カーネルクリーチャー 仮面ライダー抹殺計画!」

 

序章 一つの死

「スカイキーック!」
ピーン、ピーン、ピン、ピン、ピンピンピンピンピンピン・・・バキュイーン!
スカイライダーのキックが、ネオショッカー怪人ヤモリジン、いや、大幹部ゼネラルモンスターをとらえた。
変身を解くゼネラルモンスター。
そして、呻くように言う。
「一人では死なん・・・道連れにしてやる!俺の体は爆薬でいっぱいだ・・・仮面ライダー、一緒に死ねええ!」
必死に仮面ライダーに向かっていくゼネラルモンスター、その体を赤い稲妻が貫いた。
爆発。
そして響く、魔神提督の声。
だが、仮面ライダーも魔神提督も知らなかった。
その光景を遙か彼方から見つめる、もう一つの目の存在に。




第一章 就任式の戦い


数日後、ネオショッカー日本支部。
首領の御前で、今まさに日本支部新幹部、魔神提督の就任式が行われようとしていた。
壁の目が発光し、大首領の声が厳かに響く。
「汝魔神提督、ネオショッカーに忠誠を誓い、困難に立ち向かうか?」
その問いに対し、魔神提督は自信たっぷりに答えた。ネオショッカー最優秀幹部の名に裏打ちされた、堂々とした態度である。
「もちろんであります、大首領。この魔神提督、必ずや仮面ライダーを倒し、計画を遂行してご覧に入れましょう。先代のゼネラルモンスターの様な無能とは違いますからな。」
「お待ち下さい大首領!」
魔神提督がそういったとき、突如として背後から声が発せられた。
「だ、誰だ!」
慌てて振り向いた魔神提督が見たものは。
一人の、少女だった。
身長は、あまり高くない。と言うよりはかなり小柄だ。せいぜい百五十二、三センチあるかなしか、といったところだろう。今日日、中学生でもこれくらいの背丈のはいる。
だが、彼女は中学生ではない。中学生にしてはスリーサイズが立派すぎる。上から87,51,85といったところか。そしてなにより、彼女の持つ雰囲気がそれを告げていた。。修羅場をくぐり抜けてきた者のみが持つ、独特の感じ。その顔も、非情に整っていて美しいが、近寄りがたく、まるで鋭い刀を見ているような気がする。金色の髪の毛を垂らして顔の左半分を隠しているのが、なおさらそれを加速していた。
そんな少女が、その身を漆黒の軍服に包んで立っていた。ブーツと手袋は純白。そして、腰のベルトに付いているバックルの翼のアレンジは、彼女が幹部であることを示していた。目深に被った軍帽から覗く右目が、魔神提督を見据えている。
「何者だ、貴様は!?無礼だぞ!」
魔神提督が怒声を発するが、彼女はそれを無視し、大首領に敬礼した。
「大首領、お願いがございます。仮面ライダー抹殺、この私にお任せいただけないでしょうか。ゼネラルモンスターの敵をとらせて下さい。」
それを聞いて、魔神提督は眼をむいた。が、首領の「なるほど。お前にはそれだけのことを言う理由も実力もあったな。・・・よろしい、許可する。見事仮面ライダーを討ち取ってみせよ。」
という言葉に、更に驚愕した。
「何故です大首領!日本支部は私に任されたはず!」
そう怒鳴ってから、少女に向き直る。
「大体貴様何者だ!名を名乗れ!」
そして、腰の刀に手をかけようとする。が。
「ぐげっ!??」
魔神提督が刀にふれる前に、少女は提督の首に手をかけ、その自分に比べて二十センチは背の高い体を持ち上げていた。
「これから殺す相手に名を名乗る必要はない。お前は最後まで戦おうとしたゼネラルモンスターを意味もなく殺したあげく、ゼネラルを侮辱した。お前はネオショッカーの害になる。よってこの場で処刑する。」
そう怒りに満ちた声で呟くと、彼女は首を握る手に力を込めようとした。
「まあ待て、お前の敵は仮面ライダーのはずだ。それを取り違えるな。」
それを、大首領が制止した。その声を聞いて、彼女は手を離した。どさ、と魔神提督が着地する。
「すいませんでした大首領。それでは、早速作戦立案に入ります。」
「うむ。存分にやるがよい。」
一礼すると、少女は部屋を出つつ、魔神提督をにらみつけ、吐き捨てるように言った。
「待っていろ、仮面ライダーを倒して帰ってきたら、その首引っこ抜いてくれる。」
その言葉には、明らかに憎悪が含まれていた。
「一体何なんだ・・・」
呟く魔神提督に、首領が彼女の正体を告げた。
「お前は初対面だったか。あやつは我がネオショッカー中東支部支部長カーネルクリーチャー、ゼネラルモンスターの娘だ。義理の、だがな。」



第二章 作戦準備開始


コンピュータールームに入ったカーネルクリーチャーは室内を見渡した。
そこでは常に待機している白アリコマンド達が、忙しそうにコンピューターに向かって仕事をしていた。
その仕事ぶりを見たカーネルは、満足げに眼を細める。
・・・やはり我らネオショッカーの科学陣は優秀だ。
確認を終えるとカーネルは今入ってきた入り口に振り返り、手招きをした。
「入れ。」
その声に答え、入室する異形の戦士達。
先頭を切って入って来たのは、黒光りする装甲に包まれた長い一本の角を持った改造人間だった。重量級でいかにもパワーがありそうだ。
そして、その後に続くのは普通はネオショッカーの屋台骨、一般戦闘員であるアリコマンドである。
が、今回入ってきた集団は、アリコマンドとは違っていた。
全身が凹凸のない真っ黒な皮膚で覆われ眼と触覚しか見えない普通のアリコマンドと異なり、より昆虫っぽい、怪人「アリジン」だといっても通りそうな姿をして、更に本来改造人間処刑用のボウガンを所持している。
その集団の入室を待って、カーネルは宣言した。
「それではこれより、仮面ライダー抹殺計画の計画立案を開始する。」

そのころ魔神提督は幹部用の個室(オリジナルですが、ありますよねえそれくらい)で腐っていた。
いきなりやってきた新参者に作戦を奪われたのだ。面白いはずがない。
しかもその正体が今ひとつつかめない新参者に「ゼネラルを殺し侮辱した」「ネオショッカーの害になる」「殺してやる」と言われたのだ。ますます面白くない。
さらにもし本当に仮面ライダーを倒した場合、まあいくらなんでも殺されるというのは誇張にしても組織内での立場は悪化する。
とことん面白くない。
「まったく・・・大首領は一体何を考えてあいつをこの任につけたのだ?一つ調べてみるか。」
そういうと提督はコンピューター端末を起動させた。カーネルクリーチャーについての情報を探す。
ネオショッカーの優秀なコンピューターはあっという間にデータを列挙した。

カーネルクリーチャー 

階級 幹部 

役職 中近東支部支部長

組織内での経歴 幹部教程をきわめて短期間で、主席で卒業。
その後中近東支部に赴任し、数々の作戦をきわめて少数の兵力(彼女の部下の戦闘部 隊は改造人間一体と戦闘員一部隊二十人だけである。)で遂行する。
代表的な作戦は、一個師団の兵力に守られた要塞にすんでいた某国の独裁者を要塞ご と叩きつぶし、国中を大混乱に陥れ人類人口調整に貢献したSA作戦があげられる。
なお、この大戦果の原因は彼女自身の高い指揮能力及び戦闘能力によるところ大であ るが、部下の改造人間、カブトムシの改造人間カブトジンおよび中近東支部が独自に 開発した通常のものより遙かに強力な戦闘員、強化アリコマンド部隊もまた重要な要 素である。

「ふむ・・・」
そこまで読んだ魔神提督はため息をもらした。実に優秀だ。だが、それだけでは自分を一時的におろしてまでの採用とはならないはず。大首領はあいつを「ゼネラルモンスターの義理の娘」と言っていたが、一体・・・
そんなことを考える魔人提督の目に、ディスプレイの文字が映った。

備考(幹部以上より閲覧可能 ・・・ クリックせよ)

魔神提督は迷わずその文字をクリックした。
内容が映し出される。
「ほう・・・」
また、ため息が出た。
なるほど・・・これなら確かに・・・
第三章  作戦立案中


深夜のネオショッカー日本支部コンピュータールーム。
そのコンピューターのディスプレイに映し出される敵、仮面ライダーの姿。
今しも画面のなかの仮面ライダーはクモンジンに大してライダーキックを放とうとしていた。
ライダーキックが炸裂、倒れるクモンジン。
映像が切り替わり、カマキリジンと仮面ライダーが戦うシーンに。
カマキリブーメランが失敗するも、必死に応戦するカマキリジンに、ライダーのパンチとチョップが腕に炸裂。
鎌を取り落とすカマキリジン。
続いて、カニンガージン。
コンクリ電柱すらすぱすぱ切断するカニンガージンのはさみも、仮面ライダーにはさしてダメージとならない。
そしてドクバチジン。
はちの字崩しを返され、逆に地面にたたきつけられる。
コウモルジン。
空中戦で勝負するも、たたき落とされる。そのまま爆発。
ナメクジン
「空気切り」が炸裂する。
アリジゴクジン
ジゴクムチが何発もライダーにヒット。しかし、仮面ライダーも反撃する。
最終的にムチを捕まれ、投げ飛ばされる。
ゴキブリジン
マントで仮面ライダーの攻撃をはじく。が、マントのない部分に仮面ライダーのキックが炸裂。

そして、次に画面が変わったとき、今度はアリコマンドが写った。
バイクに乗って戦うアリコマンド。だがライダーの方がテクニックが上、蹴散らされる。
怪人の溶解液を受け、溶けるアリコマンド。
爆弾を抱えて突進していくアリコマンド。跳ね飛ばされ、味方同士激突して爆発。

「・・・・・・・・・・・・」
黙ってその映像を見ながら、要所要所でメモを取り、時々巻き戻して見るカーネルクリーチャー。
既に時計は深夜三時を回っている。
基地の明かりもほとんど落とされている。
闇の中、漆黒の軍服は周りにとけ込み、カーネルの顔のみがディスプレイの光に浮かぶ。
その顔は、決意に引き締まっていた。



次へ

戻る