ザ・ソウルテイカー〜魂狩〜
映像としての凄まじさが叩きつけてくる作品である。
黒を多用した背景の中に、紫、汚れた黄緑、赤で浮かび上がる人物。ステンドグラスをイメージしたモザイクのような景色。そして、ダリとエッシャーとピカソとゴヤが強調せずに一つのキャンパスに絵筆を突っ込んだような、前衛的なアングル・・・
まるで悪夢のような映像の中、繰り広げられるのもまた悪夢的。エゴ、心的葛藤、異形の戦い、血・・・それらが濃密に溶け合う。各話タイトルの引用元たる江戸川乱歩、子栗虫太郎、中井英夫を思わせる世界。
だがそれでも、この作品はヒーローの資質を失いはしなかった。中途において段々と異形化(精神的な意味で)していく主人公だが、最後は全てを受け入れ、同時にただ飲み込まれるでなくきちんとケリをつけている。
主人公以外の登場人物もまた魅力的。仮面ライダークウガの一条刑事を思わせる相棒・壬生シロー、一服の清涼剤・中原小麦、冷酷な悪魔と思わせておいて正体はおろかだが悲しい女・桐原夕映、中盤を引き締める名ゲスト・ザボー、拳で語る父親・リチャード=ビンセント、ザボーとともに第六話を名エピソードたらしめ、要所を決めた包帯の怪人=伊達水脈(重要伏線ゆえ透明化)、最終回間際の雰囲気や展開をある意味決定付けた時逆大悟・時逆琉奈・・・
素晴らしい演出を持ちながら、それに逃げない作りは大変に素晴らしい。この覚悟あらば、もっともっといいものが作れよう。
・・・で、出来たのが「ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて」かい・・・確かに別の意味で凄いけど・・・