我が幼少のアニメ遍歴


初めて見たアニメは何か、という問いは難しい。
比較適幼児向きの作品を考慮に入れれば、本当にずいぶん幼いころから、我輩は(そして、おそらく「我
々」は)アニメに接してきている。
それほどに、今、アニメは多い。
だがそんな中で、まだ恋も知らぬはずの脳に、まるで幼い憧れに似た淡い思いのように入り込み、その
後もアニメを求めさせた作品となると、これは、思い起こし語るに足るだろう。
さて本当に最初に最初、原体験となったアニメといえば、当時「スヌーピーと愉快な仲間」というタイ
トルで放映されていた(と思う)「ピーナッツ」である。
どれくらい幼い私がこれに影響を受けたかについては、劇中シュレーダーが弾くピアノに合わせてタッ
プダンスを踊るスヌーピーを見ながら一緒に踊っていたという記憶や写真が残っていることからも明白
である。(笑)

そういうごく幼児向け作品から、もう一つ上の段階となると、「ドラえもん」、その次くらいが「SDガ
ンダム」であろうか。このころ再放送か何かの「機動戦士ガンダム」の「ガルマ散る」の回を見た記憶
があるが、なんだか怖いような印象があったくらい。
SDガンダムはむしろ玩具の印象のほうが強いかもしれないが、かなり物語を記憶していることは確か。
総じて「ドラえもん」は、テレビ放映はまるで覚えておらず、ビデオレンタル店で借りた劇場版の印象
が強い。ことに当時感じ入ったのが「鉄人兵団」「魔界大冒険」「海底奇岩城」の3作といったところ
か。「鉄人兵団」と「海底奇岩城」は、そのラストの悲劇性が幼い私の脳に染み入ったのか、非情に鮮
烈な記憶が残っている。ことに「鉄人兵団」は悲劇的最期を遂げたゲストヒロイン・リルルと大規模戦
闘を繰り広げた巨大ロボット・ザンダクロスがことのほかはっきりと印象を残し、夢にまで出ている。
(ちなみにその夢の中では、悲劇的結末が回避されていて起きたとき凄く嬉しかった)
で、「魔界大冒険」はというと、劇中登場した「悪魔メデューサ」が凄く怖かったのである。
ギリシャ神話のメデューサのごとく頭髪に蛇をうようよ生やした上に、オリジナル設定か溺死体のよう
な顔をした幽霊的スタイルで登場し、タイムマシンで逃げようが時空間を泳いでまで執拗に追いかけて
くるその姿がとにかく怖かったのだ。(予断だが、3週間ほど前に熱を出して寝込んだとき、こいつが
夢に出てきた。朝起きたら寝汗ぐっしょり。苦笑)
それともう一つこのころ見たアニメといえば、「Drスランプ」があげられる。
実はこれは母が好きだった漫画で、古いコミックスを大量に持っていたのである。それを見せてもらっ
て気に入り(思えばこれが私の漫画初体験である)、必然的にアニメへと手が伸びたというわけ。
その強烈なギャグ、大いに笑わせてもらったものだ。
幼児期のアニメといえば、これくらいか。

さてそういった幼児期の次・・・となるとずいぶん記憶があいまいになる。明らかにその前である「ウ
ルトラマン」「ゴジラ」など特撮作品ははっきり覚えているのに、ここから」急に記憶が断片的になる
のだ。
その当時はまさに遊び盛り、(まあ私の場合遊び盛りと同時に無類の「本読み盛り」でもあったが。)
そっちのほうに脳細胞がとらわれたのだろう。
ともかく思い起こしてみると、おばかな敵キャラが印象に残った勇者シリーズ第一作「勇者エクスカイ
ザー」、ちょっと生っぽい描写が気色悪かった「獣神ライガー」あとは魔神英雄伝ワタルの玩具を持っ
ていたがアニメを見たかどうかは記憶になく、「長髪の男の子」というのに稀有な感覚を抱き、最終回
を見逃して(それまでずっと見てたのに!)がっくりきた「スーパービックリマン」(その前のビック
リマンも見たかもしれないが、あやふや)といったところか。

さてそれとは微妙に前後するが、この時期にもやはり記憶にきっちり残るものはある。
スタジオ・ジブリ作品の「となりのトトロ」「天空のラピュタ」、NHKとGAINAXの、「不思議の海のナ
ディア」である。・・・奇しくも皆「の」が多く、また「ラピュタ」と「ナディア」は同じ一つの原案
企画から生まれたとも伝え聞く。
そのうち「となりのトトロ」を見たのは時間的に少し前、幼少期にこういう名作に出合えたことは人生
にとって実に僥倖であったと言わざるを得ない。青森に住んでいた私は回りに森が多く、それは容易に
この作品とそのイメージが結びつき、森ひいては自然への親近感が深まったものだ。
ただ・・・近所の森は消え、私は成長した。もはや私の目にはトトロは映らないのだろうと思うと、今
では鑑賞すのは少し郷愁めいた悲しさが伴う。
「天空のラピュタ」は、一発で気に入り、その後結構後になって見た「紅の豚」「風の谷のナウシカ」
などと共にいまだお気に入りのスタジオ・ジブリ作品である。
特に当時見て唸ったのが、ラピュタのロボット兵士のデザインだ。ロボットといえば角ばったきれいな
カラーリングのものという当時の私の固定観念を木っ端微塵に打ち砕く衝撃を与えた。
まさに金属のようで粘土のようで、それでいて皮膜を開いて飛ぶ姿はひどく生物的。要塞の壁をレーザ
ーで溶かしその溶けた金属や岩の中を平気で歩く破壊力と、シータに見せた忠実な態度や鈴を転がすよ
うな声、戦わず庭園を守り鳥と戯れる姿などとにかくそれは衝撃であり、新しくいとおしいロボットの
一面であった。                                       
「不思議の海のナディア」はBSの「衛星アニメ劇場」で見た。これもメカニック描写(愉快なグランデ
ィスの万能戦車、迫真でありながらSF味たっぷりの潜水艦ノーティラス号など)に目を奪われた。
だがそれと同じくらいの印象を受けたのが、ガーゴイルだ。いわゆる「悪の大幹部」なのだが、白手袋
に派手な赤のスーツ、そして頭巾に独創的な表情の仮面という、現実的と絵的迫力のぎりぎりのライン
上に立つその感覚が、これまた刺激的だった。それまで知っていた悪役といえばギャグっぽいものか特
撮の「戦隊もの」の敵、「ウルトラマン」シリーズの宇宙人なので、これはキた。

まあ以上が我が幼少のアニメ遍歴である。こうして振り返るとかなり見ているようだが、この後はむし
ろ漫画や小説などに興味が移っていき、本格的にアニメにどっぷりはまり込むのは中学生、好きだった
漫画「突撃!パッパラ隊」がアニメになると聞いて放送範囲外だったため嘆願の末ケーブルテレビをつ
けてもらってから、そこでアニメが豊富に入るチャンネルに出会ってから、である。

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