『出会い』

海外に行っていた雪瑠が戻り、3人が揃った数日後。
いつものようにやって来た敵、『大魔法研究会』の兵器・機魔神と幹部らしきお姉さん・アルミス。

「ハイパーメ・ガ・ト・ン・流星キーーーック!!!」
「封魔炸裂弾!!」
「カラサイブレード真向両断!!」

それぞれの魔法・技が機魔神に炸裂する。

「ああーーー!ボーナスはたいて買い取った機魔神がーーー!!!」

絶叫するアルミス。
大奮発して4体同時投入という快挙をやらかしたのだが、結果はご覧の通り。
各個撃破で、あっという間に3体が倒されてしまった。

「残るはアンタと後ろのゴツイ奴だけよ」

振り返ってアルミスに言い放つ鈴璃。

「くっ・・・このままじゃ単位が・・・・行け、ビッグクロー!!」

後ろのダルマに手足と大きな爪を付けたような機魔神に命令する、が

「・・・・・・・」
「どうしたビッグクロー、早く行け!」

うな垂れるように動かない機魔神。

「ビッグクロ・・・っ!?」
「・・・・グオアアアアアアアアア!!!」

突然動き出した機魔神が癇癪でも起こしたように暴れ始める。
手に付いた爪が周囲の物を容赦なく切り裂いていく、主人であるアルミスもそれを避けるのに
必死だ。

「ど、どういうこと?」
「突然暴れだした?しかもアルミスにまで攻撃を・・・うわっ」

爪の衝撃波が3人にも届く。
回避はしたものの、その威力はさっき倒した3体とは比べ物にならないほど強い。
更に

「巨大化してる?」
「そんな、地球結界があるのに!」

雪瑠が帰ってくる前に起こった事件で張った地球結界。
魔力を1万分の1にする結界、この機魔神はそれを無視して巨大化している。
それに伴い、被害も大きくなっていく。

「と、とにかく早くやっつけちゃお」
「あ、すーちゃん!」

言うが早いか、単身で機魔神に突っ込んでいく鈴瑠。

「魔法拳!!げんこつボンバー!!」

鈴璃の魔法拳が機魔神を直撃する。
拳に込められた魔法が機魔神の体を吹き飛ばす・・・はずだった。

「え?」
「グロオオオオオオ!!」

魔法拳が黒い霧のようなものに防がれ、そのまま真上に弾き飛ばされる。

「うあーーーー!!」
「すーちゃん!!」
「スズね・・・わっ!」

助けに行こうとする2人を、機魔神の攻撃が邪魔する。
回避するのが精一杯で、鈴璃を助けに行くことが出来ない。




一方、弾き飛ばされた鈴璃は

「うあーーーーー・・・あれ?」

さっきまであった風を切る感覚が消え、代わりに背中に暖かい感触が広がった。
振り返って見ると

(誰?)

見たことも無い青年が自分を受け止め、落ちないように片手で抱え上げていた。
丁度腹部の当たり障りの無い部分に腕を回し、抱きしめるような形で。

「・・・・・・・」

しばし言葉を失う。
頭の左右で長い髪を大きな角髪(みずら)状に結び、袖口を絞った簡素な服の上に埴輪の兵士を連想させる鎧を着て、勾玉の首飾りをつけた戦士。
目鼻立ちのスッキリした端正な顔、そして背中に感じる大きく暖かい体。

(なんだろう、胸がドキドキする・・・)

自分の中の異常に戸惑う鈴璃をよそに、青年はじっと下を見据える。
そこには今まで経験したことの無い強さに苦戦する、雪瑠と美砂希の姿。

「・・・あ、そうだユキと美砂希が」

思い出したように下を見る鈴璃。
それに反応したのか、青年が空いている腕を振り上げ何かを投げつけた。




「天駆雷撃!!」
「カラサイブレード十字斬!!」

鈴璃が落ちてこない事が気になりながらも攻撃を続ける2人。
しかし、どちらの攻撃も機魔神の体を覆う黒い霧に遮られ届かない。
唯一効いた邪悪分子裂斬剣も大したダメージにならない。

「あの霧のせいで攻撃が届かない」
「それでも攻撃しないと町が」

そう言って、また攻撃する。
アルミスはとっくの前に、どこかへ逃げてしまった。
機魔神は徐々にだが、校庭から出ようとしている。

「こうなったら、超重力召か・・・」
「!、美砂希ちゃん、避けて!!」

ブラックホールを出そうとしていた美砂希を雪瑠が突き飛ばす。
2人が離れてすぐ、上空から降ってきた物凄い衝撃をまとった何かが機魔神を直撃した。

「ッ!!!!!!!!!!!」

凄まじい閃光。
光が消えた時、機魔神は消え校庭には巨大なクレーターが出来ていた。
それと同時に、上空から鈴璃を抱えた青年がクレーターの中心に下りてきた。

「・・・・・」

無言のまま、投げつけたソレを引き抜く。
ソレの正体は剣、形状はクサナギブレードに似ているが、刃の部分が金属色の白銀で、柄頭に
深い窪みがある。
クレーターから出ると、呆然としている2人の前に鈴璃を降ろす。

「あ、ありがとう」
「・・・・・・凄い」
「サンキューね♪」

3者3様の言葉を述べる。
なぜか雪瑠は青年に向かってサムズアップして笑いかけている。
青年もそれを返して、その場から飛び去った。

「誰だったんだろう、今の」
「そうですね、助けてくれましたが味方だったんでしょうか?」
「やっぱり見守っててくれたんだ・・・あ」

気付いた時にはもう遅い、2人の視線が雪瑠に突き刺さる。

「ユキぃ〜、何か知ってるみたいだね〜」
「教えてくれませんか、ユキちゃん」
「あ、あは、あはは、えっと、黙秘権は・・・」
『無い(ありません)!』


その後、激しい尋問(拷問)の末、2人の少女は陽極神・天之柾利の存在を知ったのだった。

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