『アキハバラ 夏休み』
夏休み前日、ひばり達は学期末恒例行事(すずめ談)として成績表勝負を行うことに。
自身の成績が優れないからか、消極的なひばり。
言い出したすずめはオール5。
「やっぱり負けた人には罰ゲームがあるのかなぁ?」
その言葉に、待ってましたとばかりにデコピン刑を提案するすずめ。
更に便乗してつぐみが“でこぴんぼうや”なる人形を(どこからともなく)取り出し、こんな日のためにと開発した技の苦労を語る。
「そんなこんなで完成した『つぐみスーパーでこぴん』が、これだ!」
つぐみスーパーでこぴんを受けて宙を舞う でこぴんぼうや。
そしてそのままマイペースにデンスケとプティアンジュに構っていたつばめに直撃。
「ああ、ワリィつばめ、大丈夫か?」
慌てて駆け寄り謝る。が、つばめの反応は
「平気」
と言いつつ、片眉をピクリとさせ、明らかに不機嫌な様子。
必死に謝るつぐみだが、どうにも許す気がないようだ。
「つぐみ、デコピンていうのは、どう「つばめ?」…!」
不意に後ろから掛かる声。
振り返ると、そこには夏服姿の鷹士がいた。
その姿を認めるや否や、即座にでこぴんぼうやを投げ捨てて傍に駆け寄ると
「こ、このへん」
「え?」
頭を前に差し出して場所を指す。
「ぶつけた……」
そのまま上目づかいに鷹士を見上げる。
「あれ? 平気って…ひっ」
後ろで余計なことを言うつぐみを一瞥して威嚇し、すぐに顔を戻してじっと待つ。
少し空いた間に、恥ずかしさからか頬に朱が指す。
「あぁ」
少し考え、意図を察した鷹士は、指差された場所に手を乗せ……ゆっくりと撫で始めた。
「ん……」
乗せられた手の心地良さに目を細め、喉から声が漏れる。
甘える子猫のようなつばめの仕草に、正解を感じた鷹士の顔に笑が浮かぶ。
まだ若干のぎこちなさはあるものの、その様子は仲の良い兄妹のよう。
つばめと鷹士。
この二人がこのような関係になるのは、ある意味必然であったのだろう。
似たような境遇を生きた二人が、語り合う時間を得たのなら。
そして周りがそれを後押ししたのなら。
「いいなぁ……」
二人の様子を見ていたひばりが、思わず零す。
“羨ましい”と
ここには居ない女性3人組も、これを見ていたら同意したことだろう。
……同時に一抹の不安を感じて、ヤキモキするかもしれないが。
そのくらい、目の前の兄妹は幸せそうだった。
そのすぐ隣で、デンスケがプティアンジュを撫でようとして手を食われていた。
ちなみに、二人を後押しした者の一人は、蕗の葉を持った小型ロボットでその様子を撮影・録画していたりする。
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