エピローグ、そして・・・
深夜、村正宗は狗法「水歩」を使い泉の中央に立った。
見上げれば数多の星々、闇を照すのは弧月のみ。その只中で
“♪深い河を渡って 貴方の所へ行こう どんなに流れが速く どんなに深くても”
同年齢の少年に比べて若干低い、それでいて周囲に染み渡るような澄んだ声で歌い始めた。
彼の最も好む歌、彼の姿をよく映しているであろう歌。それは意訳すると次のようなものになる。
『幾つもの命の繋がりの中で、「貴方」はそこで生まれ、そこに居る。幾つもの別れを重ね、私はここで育ち、ここにいる。
手を伸ばせば届きそうなのに、遥か遠い。必死に叫ぶ声も辺りの騒音に紛れて、少しも届かない。
だから私は行こう、「貴方」との間に流れるこの深い河を渡って。その流れがどれほど早く、どれほど深くても。
報われることを望みもしないで、「貴方」は唯只管歩いていく。失うことをいつも恐れ、私は成す術もなく立ち止まる。
歩き出せば追い付きそうなのに、遥か遠い。人の役に立ちそうも無いことさえも、とても尊く思えてくる。
それでも私は行こう、「貴方」との間に流れるこの深い河を渡って。その流れがどれほど早く、どれほど深くても。』
最後に激流を表すような擬音を曲調に載せ歌う。
夜闇が彼を包み、月光が彼を照らし出す。光は彼の体に遮られ影を作り、見上げる先には「夜鷹の星」が輝いていた。
「夜闇と月光」「影と夜鷹の星」
ここに来る前、オピウスは村正宗をそう比喩した。
辺りを包み込む夜の闇。その中で輝き、されど闇を消し去らぬ月の光
光が強いほど濃さを増す影。深き闇の中でこそ輝く「夜鷹の星」
どちらも対立する要素を持ち、尚且つ調和しうるもの。
対立する両者を併せ持つ者、そうオピウスは称した。
「買い被り過ぎだなオピウスさん。俺は“まだ”その境地まで達してないのに・・・」
そういう村正宗の顔は・・・満更でもなさそうだった。
部屋に戻りベッドに入る村正宗。そこに
「お兄・・・村正宗」
「あ、神奈、どした?って、何で圧し掛かって来るんだ?それにその格好は・・・」
<以降、R指定により省略>
翌朝、何時にも増して不機嫌そうな顔の村正宗と、頭にタンコブ三段を載せ、妙にスッキリした顔の神奈が町外れに来ていた。
「では村正宗はマリネラ、神奈は北海道で良いのだな」
「ええ。・・・神奈」
「な〜に、お兄ちゃん♪」
「・・・カムイチセ、任せたからな」
「任されるよ」
それだけ言葉を交わすと、二人の足下に魔方陣が展開し、それぞれの場所へと送り出した。
「さて」
二人を見送ったオピウスは円卓の座に戻り、卓上の立体ディスプレイを起動させる。
映し出されたのは、ある女性に関する資料。
「これがお前の選んだ器か、メタトロン」
映し出された女性の名は・・・ライカ=クルゼイド。
「だが」
ニヤリ、と愉快そうに口元を弛める。
「今度は貴様の思うようには行かん。万物を断つ剣が必ずや貴様を断つだろう」
先程帰った少年の事を思い浮かべ、ククク・・・と低く笑った。
魂の太刀を携え、死した身に心の鎧を纏い、その目に留まる者達を守る為、神すら斬り殺す「亡霊武者」となる少年を。
数日後
「むっ!」
円卓に座して書類に目を通していたオピウスが、不意に何かに気付いたように天井を見上げた。
そして徐に通信機を起動させると
「「代王」より派遣部隊へ。ロンドンに複数の神聖霊子反応を確認、緊急出撃(スクランブル)用意!」
『了解、特殊部隊「星夜衆」待機解除。いつでも出撃可能よ』
通信機の向こうで部隊を率いるアルクがいつになく真剣に応答する。その後ろには選りすぐりの精鋭を揃えた蒼月の部隊と、集結した十二天星が出撃の時を待っていた。
指令より数分前。アーカードは天敵たるロードからの度重なる神聖霊子の攻撃によって追い詰められていた。
空母上に広がっていたはずの肉体は元の大きさまで戻っていた。その体には無数の矢が刺さり、槍や剣で手足を貫かれ拘束されていた。
その正面にはクイーンジャガーロードが、今正に錫杖でアーカードの胸を貫かんとしていた。
突き出された錫杖が体に触れようとした刹那。
シャ!
アーカードの体を何かが通り抜けた。それもロード達の目にすら留まらぬ速さで。
その正体は黒犬。元最上級二位の大天使と真祖の王の力によって生み出された使い魔“死獣”。それが通り抜けた途端、アーカードの体から僅かな残留思念のみを残して魂が消失した。
既に魂の消失した体に錫杖が突き立てられ、神聖霊子が空になった肉体を焼いた。
「目標、ロンドン上空。「星夜衆」出撃!」
アルク率いる部隊を巨大な魔方陣が囲み、空間が揺らぎ部隊が瞬時に姿を消した。
窮地に立たされた同胞を救うため。そして共に歩いていく第一歩として
更に後日
バリスタスとの会議のため、珍しくオピウスの居ない地天星。
その中枢「円卓」の本来オピウスが居るべき場所に、少女が一人座っている。
年の頃十三、四歳程。漆黒のクラシカルなドレスに身を包み、艶やかに腰まで伸びた髪も夜闇の如く深い黒。透き通るような白い肌に真紅の瞳、どこかアルクェイドに似た顔立ち。
幽玄の美を体現したような少女は、円卓の上座に座り
「う〜〜・・・」
大量の書類を前に唸っていた。
傍らにはバイオレットが、その鋭い眼差しに幾許かの困惑を浮かべながら立っている。
「どうしてこんなに仕事が有るのよ〜・・・まぁ分かってるけど」
「では早く進めては如何ですか・・・アルトルージュ」
「アルトでいいわバイオレット。でもこれ全部急を要するような書類じゃないし〜」
戸惑い気味なバイオレットの言葉に反論する少女。
その正体は死徒二十七祖が一人、「黒の姫君」の名を持つもう一人の吸血姫、アルトルージュ=ブリュンスタッド。
真祖の王とその直系の死徒との間に生まれた、アルクェイドの「姉」・・・と出てきた時に言った。何でもアルクェイドの代理として「蒼月」の統治を任されたらしい。(ちなみにジョウエンが抜けた後には、何故かアーカードが入っていた)
そして今、オピウスに留守を任さた「黒の姫君」は、ヒマ潰し兼嫌がらせの仕事を前にやる気無さげにぶーぶー文句を言いつつ
「まぁ良いわ、どうせヒマだし」
しっかり仕事をしていた。
ちなみに今見ているのは、半年後に行われる「第27回両町合同ミスター女装コンテスト」の開催許可を求める書類。
「面白そうだけど、見れるのかな私。許可」
押印。脇に除けて次の書類に目を通す。書類の山はまだまだ無くならない。
夕方。
ようやく半分ほど終わらせたアルトの下に、オピウスから緊急連絡が入る。
『「代王」より「地天星」!タロンの襲撃を受けた。近郊の島にも部隊が上陸しているらしい。一つは私が引き受けるから、残りの場所に迎撃要員を派遣せよ!』
「聞いたわね。バイオレット、コオネを連れて迎撃に回って」
「了解」
すぐさま部屋を出るバイオレット。
残されたアルトは、円卓の上に地図を表示させ、戦闘指示を行うべく居住まいを正した。
襲撃場所に着いたバイオレットは、即座に擬似空間を展開。自身も刃を重ねたような翼を持った銀色の裸婦という戦闘形態に変わる。
擬似空間で破壊が続いているように相手に思わせ、同時に「魔眼」によるレーザーの雨を降らせて、ミサイルや上陸しようとするハイブリッド達を攻撃する。
しかしそれ程広範囲に展開出来るわけではなく、空間範囲を戦艦の周囲に限定しているため一部のハイブリッドは、何体か岸に近付きつつあった。
(グリーン、力を、貴方の力を貸して)
その想いに反応したかのように、背に生えた翼が自動的に広がり、そこから放たれた無数の空間断裂「魔剣」が岸の近くに網目状に設置される。
浅瀬に足を付け上陸しようと駆け始めたハイブリッド達は、一瞬にして目に見えぬ刃によってトコロテンのように切り刻まれた。
「魔眼」による掃射、その隙を補う「魔剣」によるトラップ。どちらもバイオレットの意思に従い、手足のように自在に敵を撃破する。
そしてバイオレットとが別の場所で迎撃を行うコオネは
「ドーン!」
声と同時に肩甲骨の辺りから生えた加粒子砲から閃光が放たれ、ミサイルを撃ってきた戦艦諸共吹き飛ばす。
背に生えた装甲のような外骨格で構成された翼。右肩に加粒子砲、左肩に分厚い板状の刃をぶら下げ、開いている両手で斥力フィールドを形成しつつ攻撃する。
足下には粉々になったハイブリッドの体が波間を漂っている。
「まだ居るかな?」
探知能力を使い周囲に敵が居ないか探す。ちなみにさっき吹き飛ばしたのが最後の戦艦。
しばらく海上を飛びながら探知を続け、残存戦力が居ないことを確かめると、そのまま砂浜へ降り立った。
「おーわり!」
背中から生えていた物を引っ込め、しばし砂浜を散策する。
テレポートによってこの場所に来たコオネは、まず飛んでくるミサイルをサイコキネシスによって反転させ、泳いでくるハイブリッド達を加粒子砲で薙ぎ払った。その時の一撃が後方の戦艦にまで及び、さながら怪獣王のごとく無数の戦艦群まで薙ぎ払ってしまった。
一応、この部隊には怪人クラスの存在が居たのだが、出撃する間も無く吹き飛んでしまったらしい。理不尽なまでに圧倒的な火力。
オピウスによって「人間」となったコオネは、その手術時に「兵器」としての力を残して欲しいと懇願した。理由は神奈と同じ、村正宗の力になる為。
殺戮を喜んだ自分に「優しさ」を注いでくれた村正宗。その優しさに報いたい、その為に「人」と「兵器」との狭間で苦しむ事になっても構わない、と。
(大丈夫だよ、村正宗)
口の中で、そっと呟く。
『ウィル博士ー、こっち終わったよ!』
『敵戦力、全て破壊した』
『うむ、ご苦労。』
3人の声が戦闘終了を告げる。
円卓の地図を消し、椅子の背もたれに寄り掛かりながらアルトは、ふっと溜息をついた。
「終わった・・・いえ、これから始まるのね」
懐に手を入れ、長い綺麗な髪の束を取り出し微か笑みを浮かべる。
その体はいつの間にか成人した女性の物に変わっていた。
「アルクェイド・・・」
目を閉じ、思い出す。
初めて「妹」に出会ったのは、自身が数百年の月日を生きた頃。
「不完全」な姫として追放された翌年、自分に代わる「完全」な姫の生誕を聞き及び、戯れに一目会おうと千年城を訪れた。
・・・そこに居たのは「完全」な姫として玉座に座る、意思を持たぬ人形だった。
自分とは違う王の『器』たる資質を備えた最強の姫君。そして、王の再臨の日まで、堕ちた真祖を狩る兵器として使われる事を定められた者。自我を持つことを許されず、ただ堕ちた真祖を狩り続ける、姫とは名ばかりの人形。
その姿はあまりに美しく、それ故に哀れだった。
彼女を一目見た瞬間、それまで抱いていた嫉妬は消え、そんな思いを抱いていた自身を恥じた。
そして私は彼女を自分の妹にする事を決めた。
一方的な同情かもしれない。彼女はそんな事望まないだろう。だが、それでも、全ての真祖が道具として扱う彼女を、私は自分の妹として扱い、姉として守ってやろうと決めた。
そしてあの日。
「妹」は堕ちた。
ミハイル・ロア・バルダムヨォン。摂理の執行者として死徒に恐れられる存在。
あの男が何を思って、そうしたのかは知らない。だが彼が「妹」を騙し、その血を吸わせると同時に力を奪ったのは確かだ。
そうして力を奪われた事と、千年城に引き寄せられた下位次元からの高濃度の魔力霊子によって、「妹」は暴走した。
私がそれを察知し駆けつけた頃には、城に居た真祖達は全て滅ぼされていた。
私は「妹」を元に戻す為戦った。
「ブリュンスタッドの剣」リィゾ=バール・シュトラウト。「ブリュンスタッドを守護する盾」フィナ=ヴラド・スヴェルテン。「ガイアの怪物」にして私の守護者、プライミッツ・マーダー。
この三人の僕と共に。
それは正に死闘、いや、「妹」の力の前には戦いにすらなっていなかったかも知れない。
こちらの必死の攻撃にも千年城の力で不死となった「妹」は直ぐに回復し、反撃の威力は全て当たれば致命傷になり得るもの。
そんな状況の中、3人の僕によって「妹」は一時的にだが動きを封じられ、私の空想具現化によって力を遮断し、「妹」の髪を代償に契約の力で再び暴走することが無いようにした。
そして私は3人の僕と共に死んだ。
目を開ける。
そして卓上に幾つかの画像を表示させる。
一つはアルクェイド。ジョウエンや蒼月の中間達と共に楽しそうに笑っている画像や、バリスタスに行ってからの現状などを加えた資料。
「元気そうで嬉しいわアルクェイド。貴女はもう人形なんかじゃない、それだけで嬉しいのに……こんなに可愛くなって。今度内緒で会いに行こうかしら(くすっ)」
ご満悦といった顔(最後の方は何か妖しげだったが…)で画像を眺める。
次の画像はカルクスが盗ってきたタロンの資料。アルクェイドから生まれた自身と同じ名を持つ少女。
「……アルトルージュの名は貴女にあげるわ。もう私は存在しない者だから。でもアルクェイドのお姉ちゃんの座だけは渡さないわよ!」
微笑を浮かべながら画像の「アルトルージュ」に宣言する。
もはや自分がサリエルの「分身」でしかないという事実を踏まえ、それでも譲れない想いがある事を自身に言い聞かせるように。
そして最後に
「妹を泣かせたら……許さないからね」
目の前に手をかざし、妖艶な微笑を浮かべつつ……指の間から笑ってない本気の殺意を込めた金色の魔眼で「悪の博士」を睨み付けた。
同時刻、廊下を歩いていた悪の博士は突如背筋を走った謎の悪寒に、キョロキョロと辺りを見回していた。
数日後
地天星の更に地下、三方に光子結晶を配した広い部屋の床に敷かれた巨大な魔方陣。その中央で何かがもぞもぞと蠢いている。
「あ゛ーう゛ー……ぐぷっ!がはぁっ!!はぁーはぁー……」
蠢くもの…オピウスが口から血を吐いた。
みていると彼の体は肩から下が無い。その断面は強烈な光で焼かれたのか酷く爛れている。
「ぐくく…そういえば忘れていた。当時の私は彼等と対立していたのだったな。お陰で六姉妹合体光線を受けてこの有様。データは手に入れたが、な」
ごろりと仰向けになるよう転がると、両肩の断面から漏れ出した黒い流動体が欠けた部位を形成・修復。新たに生えた腕で這って魔法陣から出る。
「データ確保。あとするべき事は……」
再生しきった体を起こし、魔法陣を消して部屋を出る。
後にした部屋の扉には【陣】の文字が書かれていた。
次にオピウスが来たのは扉に【光】と書かれた部屋。
扉を開くと中にもう一つ扉があり、背後の扉が閉じると同時に前の扉が開く。
途端、中から大量の冷気が流れ出し一瞬視界を遮る。
「相変わらずここは寒い……服の再生を忘れていた」
部屋の冷気で自分が服を着ていないことを思い出す。ちなみに身体は黒い流動体が蠢く「混沌」の状態なので問題無し。それ以前にこの階には他に人が居ない。
肩の辺りに残っている白衣を再生させ、そのまま部屋の中へと進む。
そこに有ったのは巨大な結晶体。
光の巨人「J」の時に確認されたプリズ魔と呼ばれる結晶体……古代アトランティスで造られ、暴走の危険から極地に封じられた擬似生物型光子物質製造プラント。
「十二天星」において「王」の石―後に砕けツォハルとなる―となり、バリスタスの一戦士の持つ二振りの小太刀となった物の大元。
「さて、と」
オピウスが結晶体の表面に目を走らせる。
今彼の目には結晶体の表面に無数の線が見えている。その線に長く伸びた爪を突き立て、丁度いい大きさになるようになぞる。
するとなぞられた線の通りに結晶体が切り取られた。……硬度が意思に左右される霊子物質を除けば、世界で尤も硬い物質であるはずの光子物質をまるで紙でも切るかのように。
「ふむ、これだけ有れば足りるだろう。後は戻って作業だ。忙しくなるぞ」
そう言って部屋を後にし、上階の定位置へと戻る。
一通り作業を終え、円卓で完成した物のデータを纏める。
「大神龍制御データ及びエルダーマキナ【獅子王の鎧】【闘獅子】はバリスタスへ。【起源たる獅子王】はまだ封印する」
オピウスの所有する魔導書「ヒエロゾイコン」より召喚された不死身の獅子(ネメアのライオン)を光子結晶で星獣化したギャレオンと、それに併せて造られた3機の支援機によって完成する試験型の【獅子王の鎧】
ギャレオン・支援機の影から造られた格闘戦重視の【闘獅子】
そしてギャレオンが真の力を発揮ことで出現する完全なる鎧【起源たる獅子王】
「後はこれか……」
手の中の剣の柄に視線を落とす。
刃の無いそれはオピウスが余った光子物質で作った物。鯉口が広く刃があれば幅広の大剣となるそれは、柄の中央に嵌った光子結晶により霊子を操作し周囲の光子を集め物質化、それによって刀身を形作ると言う物。
村正宗の研究していた理論により、その刀身は持つ者の意思によって強度を変え、たとえ砕けようと幾度でも修復する、不屈にして不滅の剣。ただし、名はまだ無い。
「ん〜…そうだな、今後の技術協力の為……いや、単純に友好の証としてUNCRETに進呈しよう。これならばロード相手にも通じるだろうし、うん。元エルロードの御墨付きだ。決定!」
なんだか様子がおかしいオピウス。彼の中の夜族にもあーぱーな性格したのが居るのだろうか?
それは兎も角
「もうそろそろ私も覚悟を決めるか……国名は夜真徒にあやかって「マホロバ」。国旗は…こんな所か。やれやれ、ようやく民の願いを叶えてやれる」
円卓に書類を転送させると、その押印欄に承認印を押す。
以前から進められていた『街』とガモン共和国の統合。既に周辺諸国との交渉も済み、最終判断を残したまま保留していた件。
それを今日、承認した。
バリスタスの世界征服達成を信じて、世界初の混成種族国家「マホロバ共和国」は建国した。
ほどなく掲げられた旗は夕暮れの蒼と明け方の白という空の色を模して半々とし、その中央に「十二天星」の紋章を円で囲った日本国旗に近い物だった。
「忙しくなるな。まだまだ戦いは続く……だが最初に共栄を成した国家として、これからの世を戦い抜こう。我等の望んだ、完全な共存共栄を世界に広めるためにも、進み始めるとしよう」
その後、数々の問題に直面しつつも無事マホロバは建国に成功。多くの難民・異種族者達を受け入れる国となり、バリスタスの世界征服の前進に大きく貢献したのだった。