<登場深海棲艦>
登場する深海棲艦の中で主なものを紹介する。このほかにも人型をとらない量産型のものが大勢いるが、以下に紹介されるものは基本的に人型。
いずれも、深海棲艦特有の白黒モノトーンな姿をしている。
尚、その最後などのネタバレ部分に関しては、文字色を背景と同色として隠しておくこととする。
・突撃前弩級戦艦遠級
「キシィイイイ・・・ティィイイイイイ・・・」「シャアア・・・・チィイイイイイ・・・」
イロハ区分以前に出現した第一世代深海棲艦の一クラス。その中でのエリート級の二隻。
日清戦争時の清国海軍北洋水師の前弩級戦艦、定遠・鎮遠が元になった深海棲艦。常に二人一組で行動する。
両肩に短砲身二連装30cm砲塔を搭載し、両手で巨大な穂先の装着された大槍を装備。
この大槍は人間の軍艦に乗り込んで内部から白兵戦で破壊するための武装であり、元となった艦が衝角を装備していたことによるもの。突撃前弩級の名称もそこからきている。
元となった艦の装甲を中華風鎧にアレンジしたような形で纏っているが、その下はチャイナドレス風の服装。
深海棲艦特有の「歯をむき出した口」の意匠は、鎧の胴の部分がその意匠となっている。
人格的要素は薄く殆どしゃべらないが、軋るような声でお互い鳴き交わし、互いに対しては息の合った様子と気遣う要素を見せ、片方が傷つけばもう片方が怒り仇を狙う絆を持つ。
最初の敵として三笠と戦い、撃沈された。
・帝国旗艦戦姫
「勝ツ・・・!今度コソ!栄光ヲ!私タチハ!悪役デモ!ヤラレ役デモ!無イッ!」
イロハ区分以前に出現した第一世代深海棲艦の特別タイプ(装甲空母鬼・姫やイベントボスたちのようなイロハ区分で呼ばれないタイプ)。
日露戦争時のロシア帝国戦艦、バルチック艦隊旗艦クニャージ・スヴォーロフの霊的影響を受けた深海棲艦。
配下に多数のバルチック艦隊を元にした深海棲艦を従えるがそれだけでなく、帝国の威信やバルチック艦隊そのものの威迫という霊的影響を背負うことにより標準的な戦艦型深海棲艦を上回る力を持つ、後に出現する戦艦棲鬼との類似種。
インド洋からハワイ以西太平洋を荒らしまわる第一世代深海棲艦を統括している。
(大西洋とハワイ以東の太平洋は、第一次世界大戦を戦った戦艦が元になった艦娘等や他の前弩級が暴れている。また、インド洋・西太平洋深海艦隊にも、日清・日露以外の艦が日本近海以外でも暴れている)
バイキング鎧と近代軍服を混合して露出度を上げたボンテージスーツのような装束を身に纏う。気の強そうなツンとした美貌で、髪型は前髪を長くして片目を隠したショートヘア。
深海棲艦特有の「歯をむき出した口」の意匠は、儀装の一部に刻まれている。
極めて攻撃的な性格をしているが、それは短慮というわけではなく、沈む前の自分が属していた艦隊が、決戦とウラジオストック入港のどっちつかずであった為敗れた面もあることから学ぼうとしたが故。
三笠の事を「トーゴー」と呼び、非常な敵意と警戒、そして執着を抱いている。また自己の属するバルチック艦隊に代表される、敗北者が歴史のカマセ犬、やられ役、悪役扱いされる風潮を嫌い、それに逆らうように功名に執着する。
そこから分かるとおり、深海棲艦としては非常に感情豊かで人間的な思考力を有する。これは、初期型であるが故のぶれや不完全さに起因すると思われる。
(それは以下の深海棲艦たちもある程度同様だが、彼女の場合特にその面が強い。後の時代の深海棲艦は、もう少し洗練されているというか、彼女はそれと比べると失敗作に近いのかもしれない)
最初はやや感情に振り回されてミスをしたり卑劣な手を用いる事が多かったが、艦娘との戦いで急速に武人として成長してゆく「もう一人の主役」。
余談であるが、彼女達、遠級を覗く太平洋第一世代深海棲艦たちの共通特長として、ロシア海軍は艦内で紅茶を飲む風習があったため、全員金剛程ではないが紅茶好きである。また、ロシアンティーはジャムを茶菓子替わりに舐めながら飲むものであってジャムを茶にぶち込むのではないところに強いこだわりを持つ。
・前弩級戦艦帝爾級
「私ハ、ココニ。」
イロハ区分以前に出現した第一世代深海棲艦の一クラス。その中でのフラッグシップ級の一隻。帝国旗艦戦姫と行動を共にする。
日露戦争時の日露戦争時のロシア帝国戦艦インペラートル・ニコライ1世とロシア第三太平洋艦隊司令官ニコライ・ネボガトフの霊的影響を受けた深海棲艦。
戦艦としてはやや軽量の装甲を胸甲騎兵風に纏っており、腰にサーベルをつっている(インペラトール・ニコライ1世も衝角装備艦であった)。
恰好は凛々しいが表情がやや朴訥とした印象で、少し太眉とくりっとした丸目丸顔。深海棲艦特有の「歯をむき出した口」の意匠は、兜に取り付けられている。
深海棲艦らしからぬ温厚な性格であり、激昂しやすい帝国旗艦戦姫を精神的にフォローする。元となった艦と違い、最後まで帝国旗艦戦姫と行動を共にして戦った忠臣。
・要塞軍港鬼姫
「モットヨ、モット、血ヲ、捧ゲナサイ・・・・」
イロハ区分以前に出現した第一世代深海棲艦の特別タイプ(装甲空母鬼・姫やイベントボスたちのようなイロハ区分で呼ばれないタイプ)。
後に出現する泊地棲鬼・泊地棲姫との類似種で、正確には艦というよりは名前の通り要塞。
日露戦争時のロシア帝国旅順軍港・二百三高地の霊的影響を受けた深海棲艦。帝国旗艦戦姫と並び、当時日本を襲撃した深海棲艦の中では最強クラス。
総合能力では帝国旗艦戦姫のほうがバランスに秀でているが、防御力という点では圧倒的に上回って強大であり、28cmより下の砲と水雷すべてを無効化する。
長身で大砲を角のように生やした冠と、砲をアクセサリのようにちりばめた血の色の豪奢なドレスを身にまとい、豪奢な髪形をした姿をした貴族的で妙齢の美女。深海棲艦特有の「歯をむき出した口」の意匠は、髪飾りになっている。
普段は帝国旗艦戦姫より落ち着いて大人びた印象で振る舞い、むしろ全体の司令官としては帝国旗艦戦姫よりもふさわしいのではないかという様子すら見せる。
だがその本質はこの時代の上級深海棲艦の中では最も血を好むものであり、人間を殺し、その血で己のドレスを染めあげることに甘美な感覚を覚えるという嗜虐性を有する。
史実と違い陸軍の力をもって攻略する事の出来ない彼女の存在が艦娘たちに凄まじい犠牲を強いた結果、歴史上の日本海海戦と違い艦娘たちは兵力劣勢の状態で帝国旗艦戦姫たちを迎撃せねばならない羽目に陥る。
・前弩級戦艦極東級
「・・・コレデ、ジワジワト・・・ケズレテユケ・・・」
イロハ区分以前に出現した第一世代深海棲艦の一クラス、その中でのフラッグシップ級の一隻。要塞軍港鬼姫と行動を共にする。
日露戦争時のロシア帝国戦艦ペトロパブロフスクとロシア太平洋艦隊司令官ステパン・マカロフの霊的影響を受けた深海棲艦。
小柄で極めて人型に近く、ふかふかのロシアコートとセーヴル帽を纏い、深海棲艦特有の「歯をむき出した口」の意匠をしたマフラーで口元を隠した怜悧で知的な印象の幼女といった姿。
のちの艦娘・島風の「連装砲ちゃん」を巨大化、凶暴化させたような「装甲砲塔ユニット」を2体護衛として連れている。
名将マカロフの頭脳を受け継いだ知性派であり、作戦参謀めいて要塞軍港鬼姫、帝国旗艦戦姫に献策を行う。
己の元となった艦が司令官諸共触雷で沈没した結果太平洋艦隊の指揮が混乱し敗北したことから、知将ではあるが自己の生存を最優先するやや非積極的な要素を持つ。
それゆえ先んじて脱落することなく後半まで生存。要塞軍港鬼姫撃破時に遁走を図るが、パニックを起こした要塞軍港鬼姫に足をつかまれ、区画諸共崩落する鬼姫の道連れとなって沈没した。