ドラえもん
ドラえもん・・・といえば、日本では知らない人など殆んどいないであろう有名作品であり、サザエさん級の長期作品としても有名であり、故に細かい説明は不要と思われる。本当に、よくもまあこれだけネタが続くものだ。
しかし、子供向きという印象もまたはっきりと存在するのではなかろうか?まあ、確かに事実そうではある。
しかし。再び、しかし、だ。よく見てみると、結構教訓的な話もあるし、捻りの効いたエピソードも多い。
そして、もう一つここで我輩が声を大にして言いたいのは、劇場版作品の存在である。これ・・・今試し見返してみると、意外といいものであるぞ?諸君らもないかね?年末のスペシャルなんかでTV放送されてるドラえもん劇場版、ついつい見入っちゃったって現象・・・なんと言うか、作りがしっかりしていて・・・(絵面とか、時代的ギャップとか、ドラえもんの主要対象年代という制限はともかくとしても、だが)
で。悪の博士が選ぶ、ドラえもん劇場版ベスト5(三十作本以上の中から厳選!ただし、最近の作品はあまり詳しくないけど)
第5位
「ドラえもん のび太の魔界大冒険」
まずは五位から。三十ウン作品中の五位だから、これでも相当なものである。凝ったストーリー(序盤に現れた「ドラえもんとのび太そっくりの石像」が後半へとつながる伏線になり、さらにもしもボックスとタイムマシンが絡むことにより時間軸が二転三転)笑えるギャグ(化物も逃げるジャイアンソング、そしてドラえもんが「ただの気分」として被っていた魔法使いっぽい帽子が、意外なところで役に立つ)など、見所多いし。
ただ・・・個人的に、この作品は幼少のころに見てトラウマになった。何が、って・・・メデューサ。相手を石にする能力を持つ魔物だけど、このアニメのメデューサは溶け崩れたような気色悪い顔に真っ赤な瞳孔のない瞳、幽霊のような不定形の姿、生暖かい呼気すら感じそうな気色悪い声など・・・とにかく凄く怖かったのだ!!それが際限なく追ってくる、もう、小さいころの今の我輩とは比べ物にならないほど優しくて純朴な子供にはたまったものではないわい。実際これは相当きいたらしく、今でも高熱を出して寝込むと、決まってこいつが夢に出てきては我輩を追い掛け回す。幼いころの刷り込みって凄いものだな。
第4位
「ドラえもん のび太の海底鬼岩城」
手堅いつくりの秀作。事件発端、伏線、ゲスト・キャラクターとの心の交流、決戦、そして別れと教訓・・・ドラえもんアニメの基本を完璧に押さえている。
特にポンコツ扱いされて臍を曲げながらも、ただ一人自分に優しく接してくれた静のために全てを投げ出すバギーの行動、それにいたる描写が素晴らしい。
欲を言うならばもう少し展開を早めて海底人の描写や最後の復讐コンピューター・ポセイドンのくだりを多くして欲しかったかも。
第3位
「ドラえもん のび太と雲の王国」
ある意味、非常に豪華な作品で、TV版ドラえもんの総集編にして未完の最終回といってもいい作品かも。
劇場版ドラのテーマの一つである「環境問題」に特に重点の当たった作品で、人間文明を崩壊させようとする天上人とドラえもんたちの「駆け引き」(戦闘ではなく、あくまで駆け引きというのも面白い)が物語の主軸なのだが。
それで最終的に、今までドラえもんとのび太たちが助けたり親交を深めたりしてきた様々なキャラクターたちが一挙登場して人間を弁護するという、凄いラストが待っていた。(ここんとこ、いっそ「海底鬼岩城」や「龍の騎士」のキャラも出しても良かったと思う)
第2位
「ドラえもん のび太と夢幻三剣士」
極めて派手、かつ異色の大作。魔法のある世界とかいろいろなところを冒険してきたドラえもんたちだが、完全ファンタジーの世界で、秘密道具もあまり使わずに(せいぜい派手に使ったのはジャンボス将軍との戦闘においてくらい)剣や知恵で戦うのは相当珍しい。
しかもそれが結構決まっている。特に主題歌「夢の人」が激しく燃える傑作ソング!
ここに歌詞を掲載するが、ピアノを多めに使用した音楽自体もいいものである。
夢の人
夢見る心がお前にある限り 出来ないことはこの世にない
水のしずくが光と出会えば 七つの色に輝くように
守ってあげたい人と出会えば
お前は既に 剣持つ サ・ム・ライ!
さあ!今!いざ!もう!剣をとれ!
さあ!今!いざ!もう!剣を抜け!
お前の 名前は 正義!
ヒーローものや巨大ロボットものに使っても違和感ない熱血歌詞である。
あと忘れてはいけないのだが、ゲーム世界のキャラクターのはずの参謀トリホーが現実世界に現れたり、「もう一つの世界」として存在するようにも見えるユミルメ王国の謎に満ちた描写も、かなり気になる。
そして、栄光の一位はっ!!
第1位
「ドラえもん のび太と鉄人兵団」
である!!(絶対断言)
大挙登場するロボット部隊・鉄人兵団との激しいバトル。「仮面ライダー龍騎」を二十年近く先取りした鏡面世界(ミラーワールド、とルビふれそう)、下手なスーパーロボットに負けないデザインのゲストメカ・ザンダクロス。人間歴史のカリカチュアーとでも言うべき歴史をたどりながら、ロボット「だけの」理想世界のために人間を奴隷化せんとするロボットたち(このへんは少し現実世界においてのイスラム原理主義、アメリカ正義主義の危険さを予言しているとも言える)の理想妄信・・・
そして、母星に忠誠を誓いながら、のび太や静の優しさに触れその狭間で思い悩むスパイアンドロイド・リルルの心情描写こそが、この作品を第一位たらしめている理由。
(やはりこのリルルも小さいころ夢に出てきた。夢にまで出たのは他には「ウルトラセブン」のペガッサ星人くらいのものではる。いずれも夢の中では悲劇の運命を乗り越えて平和に暮らしていた)
エンディングテーマ「私が不思議」も、この己の心の不安定さを畏怖するリルルの様子を表すようで、まさに的確。
(これを書くために一度この作品見直してみたのだが、そこで一寸驚いたことが。我輩の記憶では時間改変によりリルルが鉄人兵団とともに消滅したところで終わっていたのだが、そうではなかった。最後の最後、歴史が変わり平和の国となったメカトピアから来たリルルがのび太の前に姿を少しだけ現し空に消え、「それじゃまるで天使みたいじゃないか」と言うスネオにのび太が、「そうさ、リルルは・・・天使さ!」といって終わり、というラストがあった。あくまでこれは我輩の記憶違いによる感傷に過ぎぬのだが、まるではるかな時を越えて彼女が帰ってきたかのような感慨を抱いた。あと、リルルの声がイクサー1=山本百合子だったことに吃驚。どこか懐かしい気がしていたが・・・そうだったのか!)
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