アキハバラ電脳組

我輩が二番目に気に入って「しまった」少女系アニメ(恥汗)。

だが弁解のためにあえて言っておくが・・・

これは戦隊ヒーローもののアニメVerであるっ!(苦)

だが、否定は出来まいて。(主人公が夢見る少女だったりするほかは、構図はかなり近いというか同一。ただ各エピソードにおいて少女漫画的ではあるが)

ギャグだっていいし、メカニック描写も面白い。(禍々しい錬金術用語と科学の取り合わせ、そしてアルヴァタールやディーヴァの映像的なデザインの良さ)

人物と話の出来もいい。

敵組織においての、悪に救いを見出さざるを得ない、歪み真柄も必死な三人の女と、クローンとして作られ、代用品としてしか存在を許されなかった少年の葛藤、科学を妄信するものと人類と科学全てに絶望したものの悲しいすれ違い、そして。人を信じるものが放つ輝き。

特にこの話において白眉なのが、五人目のヒロイン、戦隊ヒーローで言うところのアキハバラブラック(レッドが主人公花小金井ひばり、イエローが東十条つぐみ、ブルーが桜上水すずめ、グリーンが泉岳寺かもめ。どうでもいいが苗字は全員駅名で、下の名前は鳥の名だ)大鳥居つばめが主人公達の仲間になるくだりだ。

彼女は敵組織ローゼンクロイツの一員として最初登場する。それも主人公達が四人がかりでいってもなお勝てないような、いわゆる悪のライバルとして。

だがその実体は、戦うことと強くなること意外教えられなかったその内面に大きな空虚と寂しさを抱えた少女。戦いの中、誰とでも仲良くなろうとする主人公と徐々に交流していく。そして誘われてひばりの家に来たつばめは、そこで家族と仲良く、暖かく暮らしているひばりの姿に自分の今までの生活がどれだけ寂しいものであったかを唐突に実感、混乱して飛び出してしまう。それを追いかけるひばり。そして夜の校舎で、「おせっかいだ」と突き放そうとするつばめに「おせっかいだよあたし!」と食い下がるひばり。結局家族の暖かさ、甘さの象徴として劇中描かれていたホットケーキを軸に、つばめとひばりは和解する。だが、その後今度は他の仲間とつばめの仲が悪くなり・・・とさらに物語は続き、そのままラストまで突っ込んでいく。

この大鳥居つばめというキャラクター自体は、手垢のついたものである。新世紀エヴァンゲリオンで生まれ一時期アニメ・ゲーム・漫画を席巻した「綾波レイ」の二番煎じ三番煎じである。(二番煎じが機動戦艦ナデシコのホシノ・ルリとすると、彼女は三人目ということになるか)

だが・・・!

綾波レイ。まともな結末を与えられなかった少女。そのコピーたる、虚ろな少女達。ホシノ・ルリもナデシコの中で一応の筋は語られるものの、本編は最終回何の決着も見せずに終了。劇場版でも、やはり最後字体を見送るだけで何の結末もつけてはいない。

そんな中、大鳥居つばめだけは決着がついている。彼女だけが、ストーリーの要素としてのキャラクター存在を全うした。

いうなれば、彼女は三番目だけど一番なのだ。

溶解してしまったエヴァンゲリオン。飛び去ってしまったナデシコ。アキハバラ電脳組は、大地に踏ん張ってそこに立っている。

一見振り出しに帰ったように見えるかもしれない。だがそこには確かに一年分の時間を重ねて、立ち続けている少女達がいる。

成長、するために。

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