アイアンジャイアント
現時点で我輩が認める、「アメリカのアニメNo1」
そしてこれが追い抜かれることはなかなかないだろう、と我輩は確信する。
突然やってきた不思議な存在と少年の交流という、「E.T」に始まるアメリカ映画には割とあるパターンなのだが、それらとこの作品の一線を画するのは、やってきた存在であるアイアンジャイアントの存在感だ。
ちょっとウルトラマン似の顔をした、いかにも「鉄!」なごつい体つきのロボット。ビスやリベットのきしみを感じさせる外見と、それにしっかり似合う動き方。それでいてその魂は子供のように純粋無垢。
この鉄の巨人の何気ない仕草や言動が、本当に可愛いのだ。身長二十メートルなのに。
金属をがりがり食べたりするときの、可動部分が少ないくせに妙に豊かな表情。
ごっこ遊びで悪い巨大ロボをやるのを嫌がり、スーパーマンにあこがれる。
猟師が鹿を殺すのを見て以来銃を忌み嫌っていたが、少年に玩具の光線銃を向けられたとたんに体内の自動戦闘システムが動き出してしまい、後一歩で少年を殺してしまうところだったことにショックを受け困惑する、その時の仕草が本当に可愛そうなほどに哀れで。
そして最後には、自ら銃のような殺人だけの存在であることを否定し、誤発射された核ミサイルを防いで宇宙へと飛んでいった。彼があこがれたヒーロー、スーパーマンのように。
とにかく、このアイアンジャイアントはとても魅力あふれる存在である。主役存在の凄さが、このアニメの質を高めた。
戻る