断ち切れる力・・・・・ 返信 △ ▽
「んなことぐらい・・・・・てめぇに教えられるまでもねぇ・・・・・」
それは今もなおクラヴィーアを殴り続けている少年に当てた言葉ではない。
ふと、手を止めた少年の頭に機械でできた自分の右腕を優しくのせ、頭をなでる。
「その・・・・・手・・・・・」
頭にのせられた無機質な腕に触れる少年。
「これか・・・・・
しばらく前に戦った時に失ったんだ、腕を・・・・・」
「あ・・・・・」
言ってはいけなかったことを口走り、俯く少年。
そんな少年の頬を機械の腕で触れる。
「気にする事じゃない・・・
失ったものは君の方が大きいんだからな・・・
正直、俺が今まで奪ってきたものは腕一本で償えるようなものじゃない・・・・・」
だが・・・、と言葉を続ける。
「俺はこの腕を奪った者を恨んだりはしない。
恨みは過去を引きずって生きること同意・・・・・」
一息
「君が俺を恨み続け、ヘルバーチャ団に入って俺を殺すと言うのならそれもまた一つの選択。
俺が君の人生に口出しする権利はないからな。
ただ、その場合・・・君はそれ以上の人間になることは望めないだろう。」
そう言って少年の頭を軽く掻きむしる。
「過去という運命に束縛されて生き続ける・・・
そんな奴は過去から先に進むことはできない・・・つまり、それ以上の強さを持った人間になることはできない。
俺はそんな愚か者に成り下がる気は毛頭無い。
尤も、過去に束縛されて生き続けることは自分で運命を掴むことより遥かに楽な人生だろうが・・・・・」
そう言ってクラヴィーアは少年から離れていく。
ある程度離れてからクラヴィーアは人間の腕・・・左腕を頭上に掲げる。
「運命とは・・・断ち切れる力のこと・・・
そして、己の力でつかみ取るもののことなり・・・・・
俺は・・・過去にどんなことがあろうとも束縛されることはない。
過去と未来の境界線を越え、俺は自分の手で運命を掴み、自分の未来は自分で切り開く!!」
同時に、彼の背後葬送曲が飛来し、着地する。
コクピットハッチを開放。
葬送曲の掌の上で再び少年の方に向き直る。
「強く生きろよ!!」
そう言い放つとコクピットに乗り込み、無駄のない動作で葬送曲を立ち上がらせる。
飛翔
風を切り、葬送曲は遥か彼方へと上昇する。
「鉄仮面・・・貴様等は過去に束縛され過ぎだ・・・
だが、俺は違う・・・・・
どれだけの犠牲を出すことになろうと・・・過去に束縛され、立ち止まったりすることはない。」
葬送曲は空を駆ける。
「運命とは・・・・・」