ハカイダー・シンドローム
ハカイダー。このサイトを訪れる者で、まさかこの名前を知らない者は居ないと思われるが、念のため一度紹介しておく。
ハカイダーとは、石森正太郎作の漫画を原作に特撮TV番組化された「人造人間キカイダー」に登場した人造人間である。いわゆる悪役なのだが、主人公・キカイダーを抹殺することのみにストイックに集中する性格、ニヒルな言動、ガンアクションと黒を基調としたデザイン、登場時に決まって吹く口笛などの外見的に類稀なるかっこよさなどから大人気を博し、「ライバルキャラ」という分野を開拓した日本創作(特撮だけによらず、アニメ・漫画・小説、およそ戦闘があるものにおいて殆んど全て)歴史上に残るキャラクターである。
そんなハカイダーに端を発する、ハカイダー系と呼ばれることすらある一連のキャラクターたち。
だが、そんな大雑把なくくりでは、それぞれのキャラクターに失礼というものであろう。そしてこれからそのようなキャラクター・ストーリーを創作する者にもまた不親切かつ、あらぬ誤解・過ちを生むことともなりかねない。
そこで当研究組織は、それらをより細かく分類・交渉することにより鑑賞者・創作者諸氏に何らかの一助となりたいと思う。
ただし、当研究組織トップにも掲げられるように、あくまでこれら分析は当研究組織の解釈によるものであり、絶対性・服従性を要求するものにあらず。つまり、「違うんじゃない?」と思ってもそう目くじらを立てるな、それはそれで貴殿の解釈も面白いと思う、ということ。(なんだったら「自分なりの分類」を闘技場に書き込んでみてもいいかも)
その1
ライバルタイプ(例・「人造人間キカイダー」のハカイダー、「超人機メタルダー」のトップガンダーなど)
いわゆるハカイダータイプの典型例がこれ。特徴としては、「あくまで主人公がいてこその存在で、ある意味主人公に依存している存在」であること。つまり主人公と対極に存在し、主人公を追い、主人公と戦ってこそ輝くタイプ。それゆえに彼らにとって目標である主人公を失うと、(元祖であるハカイダーがそうであったように)錯乱に近い症状を引き起こす。(映画「人造人間ハカイダー」のハカイダーは、「別物」。アレはあくまで主役、ダークながらもヒーロー。)また、心情的に主人公に近いが故に主人公サイドに寝返ることもある。
その2
ストレンジラヴァータイプ(例・「戦え!イクサー1」のイクサー2、「魔法騎士レイアース」のノヴァなど)
ライバルタイプに比較的近しい存在だが、主人公に対する執着がより強くなっており、殆んど妄執というかサディスティックな恋愛感情にまで達しているタイプ。(その割には例に挙げられたキャラと主人公はどっちも女性で同性だが、どう見てもそうとしか思えん)
このタイプを特徴付けるのは主人公に対し、まるで痛ぶるような行動や、主人公の気を引こうとするような行動(近親者を襲うなど)
が見られる点。
その3
アンチヒーロータイプ(例・「仮面ライダーX」のアポロガイスト、「仮面ライダーBrack」のシャドームーン)
対してこれは、主人公に対する依存度が少ないタイプと言うか、むしろ堂々と主人公を拒絶している。主人公に対する感情はあくまで「歯ごたえのある敵」程度(シャドームーンはブラックのキングストーンを奪おうとしていたが、それはあくまで自分が創世王となるための、目的のための手段に過ぎない)であって、他タイプのしばしば示す改心などもない、完全な悪タイプ。シャドームーンは続編「仮面ライダーBrackRX」で最後にそのような所作を僅かに示すが、アレはあくまで記憶を取り戻し「秋月信彦」となったせいであり、「シャドームーン」の行動ではない。
その4
アドバイザータイプ(例・「人造人間キカイダー」のゴールデンバット、「TheSoulTalker」のザボーなど)
(注・ここで言う人造人間キカイダーは原作漫画版ならびにそのアニメ化の「TheAnimation」を指す。)
このタイプは一話か二話のみのゲスト出演的扱いでありながら、その一方で強烈な存在感を残す。往々にして彼らは物語のテーマに深く踏み込んだ存在であり、時に解説者として、時に代弁者として熱弁を振るい、主人公の心に少なからず影響を与える。それはある意味ライバルタイプよりも主人公と対極的な存在であり、他のタイプに無い奥深い味わいがある。
その5
マスタータイプ(例・「機動武闘伝Gガンダム」の東方不敗、「TheSoulTalker」のソウルクラッシャーなど)
主人公の前に、大きな壁となって立ちはだかるタイプ。一種父性的(東方不敗は主人公ドモン=カッシュの師匠だし、ソウルクラッシャーにいたっては主人公の実の父親だ)で、それを乗り越えようと四苦八苦する主人公との間でドラマを作る。この壁を乗り越えたとき、たいていの主人公は一段階強くなる。それは物理的側面も伴うが、心理的な成長であることも多き、そう言う意味でも父親のような存在。
その6
アナザーヒーロータイプ(例・「人造人間キカイダー01」のワルダー、「輝竜戦鬼ナーガス」のギレウスなど)
ある意味、この手のタイプの究極形とも言えるタイプ。自分自身の明確なストーリーを持ち、悪役としての威厳を保ちながら同時に一種の弱さともいえるような魅力、格好よさだけではない感情移入の余地のある、成長する「もう一人の主人公」ともいえるタイプ。
このタイプはライバルタイプと似たように主人公サイドに寝返ることもあるが、主人公の影響で「そうなる」ことの多いライバルタイプと比べ、こちらは自らの物語(往々にして主人公を食ってしまうほどの。恋愛ドラマのような形をとることも多い)の果てにそういう結果を「選択する」のが相違。
このタイプをもっと突き詰めていくと、「スクライド」の劉鳳や「仮面ライダー龍騎」の仮面ライダーナイトのような完全なもう一人の主役(あるいは複数の場合主役の一人)となる。
なお、他にその0 ライバル未満タイプ(「仮面ライダー(新)」のグランバザーミー、「仮面ライダーBrackRXのグランザイラスなど)ただ単に強いだけの一話限りのぽっと出ゲストや、その7ギャグライバルタイプ(「NG騎士ラムネ&40」のダ・サイダー、「速攻生徒会」の服部奈緒子など)ギャグキャラであるが故にライバル的魅力を発揮しないタイプなどもあるにはある。