人造人間キカイダー The Animetion

言わずと知れた石森正太郎の傑作漫画を、アニメ化したもの。特撮作品としても有名なのだが、きぐるみの出来や特殊効果が仮面ライダーと比べてもお粗末だった特撮版よりも、より原作に忠実・いや一部においては超えたところもあるアニメ。

何より原作の悲劇的で、やるせない「心持つ機会の悲劇」が活写されている。特に原作において独特の、ライバルとして作られたハカイダーよりある意味でジロー=キカイダーと対極の位置にいた、不完全な良心回路を捨てて悪の道に走ろうとした人造人間・ゴールデンバットの描写が秀逸。シリーズ十三話の中ごろに前後編をとったこの話では、物凄いはまり役の若本規夫氏とゴールデンバットが一心同体になったかのように「良心とは」「機械とは」「人と、人で無いものの関係」と次々語りまくる。

もちろん、アニメ版は彼の一人舞台というわけではない。が、おもいきり目だっているのも事実。オレンジアントやカーマインスパイダーにも秀逸なセリフが目立つが。

そして、ジロー。彼もより本来的な、はかない、命令にただ従えばいい単純機械と、人に与えられた不完全な良心の間で揺らめく存在として微妙な、本来の魅力を見せる。

これこそまさに、キカイダーの完全なる映像化といっても過言では無いだろう。

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